【大学野球】明大・戸塚俊美新監督の理想の監督像は「島岡さんです」 伝統の「人間力野球」を継承
神宮で19年ジャッジした経験
明大卒業後は社会人野球・神戸製鋼で選手6年(主将3年)、コーチ2年、監督4年を経験した。ユニフォームを脱ぎ、東京へ戻り、社業に専念するタイミングで2001年、明大の審判員だった吉川芳登氏(明治大学野球部OB会・駿台倶楽部会長)から声がかかり、東京六大学野球連盟の審判員となった。 神宮で19年ジャッジし、この間、社会人野球のほか、春、夏の甲子園大会でも15年にわたり審判委員を務めた。「全試合、緊張します。アンパイアは何かをすると騒がれる。何もなく、終える。『選手に名前を覚えられるような審判員はダメだ』と言われたことがあります」。17年春のセンバツ決勝(大阪桐蔭高-履正社高)で球審を任され、大学野球では2010年秋、早大と慶大による優勝決定戦で二塁塁審を務めたのも思い出として残っている。 長く、アンパイア目線で野球を見てきたことは、現場指導でも大いに生かされているという。選手と一緒に試合をつくり上げていく、審判員へのリスペクトはもちろんのことであり、技術的には「全力疾走。どんな状況でも全力で駆け抜ける」ことを徹底させている。 2025年は東京六大学野球連盟創設100年だ。 「長い歴史の中で100年を迎えるときに、明治大学の監督であるのは感謝の気持ちです」 戸塚監督は5年間の明大助監督時代「愛のあるノック」で学生から全幅の信頼を得ていた。「守りの野球。粘りをテーマにしていきます。『粘り』を出すには、普段の練習から、気持ちを前面に出していくことが大事になる。それが、試合終盤の粘りにつながります」。令和の時代に合わせ、24時間指導で、学生野球の基礎基本を徹底的にたたき込むつもりだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール