“立ちんぼ”続ける24歳女性「ホストは疑似恋愛。推し活みたいな」クリスマスも大久保公園に…暴行被害や性病リスクも「売春して何が悪い」 警察幹部は「犯罪の入り口」指摘
性病は「全然大丈夫」…ホテルの部屋で暴行されたことも
売春の大きなリスクの一つ、性病については気にするそぶりを見せなかった。 「(性病の)リスクは店でも変わらない。自分も全然なるし。病院でたまに検査してるから、その時感染してたら治すだけ。全然大丈夫。梅毒はちょっとまずいけど、今のところなったことないし。噂には梅毒になってる子もいるけど」 “性病になったら病院に行けばいいだけ”そう話す愛さんからは、性病特有の感染拡大、すなわち自分を媒体にして性病を拡散するというリスクについて自覚はないように思えた。 一方で、「立ちんぼで命の危険を感じることもある」と話し、痣(あざ)だらけになった体の写真とともに暴行を受けた時の被害を語ってくれた。 2024年10月、男性客からホテルの一室で暴行を受けたという。男性客は、突然愛さんのバックを奪おうとしたため、愛さんが抵抗すると、襲い掛かり全身を殴ってきた。 「殴られるのはこれが初めてじゃない。暴力を振られたことは何回もある。本当にやばかった。2カ月たってようやく傷が治った。でも警察には相談できない。警察に行ったら『売春でしょ』って言われるだけ」 何度も命の危険を感じたことがあったと話す一方で、立ちんぼはやめる気はないという。
「ホストは疑似恋愛しかない。推し活みたいな感じ」
こうして稼いだ金をつぎ込むホストクラブの魅力についてこう吐露する。 「なんだろう。何しに行ってるんだろう…。なんだろうね。そもそもお金使うのが好きだから。生きてるって感じがする。使うところが無いと働かないから。疑似恋愛だよ。ホストは疑似恋愛しかない。推し活みたいな感じ。アイドルみたいな存在」 警察は悪質ホストクラブやスカウトバックの問題について取り締まりを強化しているが、実際に歌舞伎町を取材し話を聞くと、問題視していない女性も多い。愛さんにこの問題について聞いた際の回答が、冒頭で私に語った言葉である。 「好きでホストに通い、売春をして何が悪いのか」
警察幹部「犯行Gが性風俗店で資金洗浄をしている可能性も」
警察幹部は、この問題について「把握できている被害は氷山の一角。自分の被害に気付いていない女性や、完全にホストクラブにのめり込んでいる女性もいる」としている。 ホストクラブとのトラブルを抱える女性を支援する一般社団法人「青母連」事務局長の田中芳秀さんは、相談者のほとんどがホストクラブに通う女性の保護者だと話す。 そして、ホストクラブに通う女性本人が相談に来るケースが少ない理由について、「完全にマインドコントロールの中にいて、被害に遭っていることに気付いていない」と指摘する。 田中さんはホストクラブについて「女性客にとって心の空白を埋めてくれる、手が届くアイドルみたいな存在になっている」と話した。 一方、「20歳前後の女性に高額な売掛金や前入金を請求しているのは、女性客を性風俗店に流すスキームが確立されているから。ホストクラブが性風俗店の供給口になっている」と批判し、ホストクラブの女性客を性風俗店に流すスキームを無くしていく必要があると訴えている。 また、別の警察幹部はこの問題について、「ホストクラブだけに留まる問題ではない」として、性風俗店やスカウトグループが「犯罪の入り口」になっているという。 首都圏で相次ぐ闇バイト強盗事件にも関与している匿名・流動型犯罪グループ=「トクリュウ」について、警察庁は2024年を「トクリュウ対策元年」と位置づけ、取り締まりに力を入れている。警察幹部は「闇バイトによる強盗や詐欺などで得られた犯罪収入を使って、犯行グループが性風俗店を開業し、資金洗浄をしている可能性もある」と指摘する。 性風俗店やスカウトグループを規制していくことは、トクリュウによる金と人の流れの実態解明にも繋がる可能性がある。女性を喰い物にするこの悪質なスキームの破壊、そして悪質なホストやスカウト、トクリュウを根絶やしにできるのか、警察当局による規制の実効性が問われている。 <フジテレビ社会部・林英美>
林英美,フジテレビ,社会部
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