“子供が伝えたい事”聞く難しさ…児童相談所の一時保護で生活一変した家族 子供の意見と安全確保の狭間で
児相との面談内容は子供にもわかるように説明する。本人不在で議論が進まないよう、納得するまで何度も気持ちを確認することができる。 家本めぐみさん: 「“子供の聞きたいこと”を聞いたりするのは、児童相談所の職員の役割なんですよね。この子のためだけに寄り添う大人って言うのかな。そういう制度ができたところなので、課題を1つずつクリアにできていったらなとは思います」
2022年の児童福祉法の改正で、「アドボケイト」の配置が全国でも広がっている。和歌山県では、一時保護された子供の約7割がこの制度を利用しているということだ。三重県でも2022年からアドボケイトを導入しているが、実際に運用していくうえでは、難しさも感じているという。 三重県 児童相談支援課 近正樹課長: 「子供の意見を100%『うん、そうだね』って聞くというか、その通りにするのが子どもの意見表明を支援することなのか、しっかり話を聞いて子供の考え方を整理するということが支援なのか。個別のケースとしては控えますけど、評価としても難しいところはあると思います」
■さらに進む兵庫県明石市の取り組み
一時保護された子供の声を聞く取り組みは、兵庫県明石市でさらに一歩進んでいる。2021年から始まった「こどものための第三者委員会」では、弁護士や医師などで構成される委員が、一時保護された全ての子供と面接をする。 松山さん一家のように、子供本人から“再調査をしてほしい”などの希望があれば、第三者委員会で調査をし、妥当性について児童相談所に意見をする。子供の意見がより反映されやすくなるということだ。
本当の意味での「子供のため」とは。その正解は、まだ模索されている。 2024年5月24日放送