英ダービー馬シティオブトロイ（中央）はどこへ向かう＝ロイター

　２１日にヨーク競馬場で行われた英ＧＩインターナショナルＳ（芝２０５０メートル）は、１番人気に推された今年の英ダービー馬シティオブトロイ（牡３・Ａオブライエン＝愛）がレコードを大きく塗り替える好タイムで逃げ切り、ＧＩ３連勝を飾った。日本のドゥレッツァ（牡４・尾関）は好位の外めを追走したものの伸び切れず５着に終わっている。 　シティオブトロイの勝利は衝撃を与えた。陣営のペースメーカーと目されたハンスアンデルセンがいたにもかかわらず、馬の走る気に逆らうことなくライアン・ムーアは逃げをチョイス。リズム良くペースを刻んで直線に入ると、先行していたライバルたちを引き離した。そこに後方から襲いかかってきたのが同じ３歳馬のカランダガン。その勢いから差し切るかと思わせたが、シティオブトロイはそこからさらに加速してあっさりと退けた。勝ちタイムは２分０４秒３２（良）。従来のレコードは、１５年前のこのレースでシーザスターズがマークした２分０５秒２９であり、これを実に０秒９７も更新した。 　気になるシティオブトロイの今後だが、最有力視されるのは米ＧＩブリーダーズクラシック（１１月２日＝デルマー競馬場、ダート２０００メートル）への参戦だ。ブックメーカー各社は同レースでシティオブトロイのオッズを軒並み１番人気に設定（２番人気は日本のフォーエバーヤング）。世界各国のビッグレースを多数制しているＡオブライエン調教師がまだ一度も勝っていないレースでもあり、参戦への意欲を示している。 　ただ、その前に仏ＧＩ凱旋門賞（１０月６日＝パリロンシャン競馬場、芝２４００メートル）に出走する可能性は残っており、こちらもブックメーカー各社はインターナショナルＳの勝利を受けてオッズを上方修正。同馬に６～９倍のオッズを設定している。なお、インターナショナルＳ２着のカランダガンはセン馬のため凱旋門賞には出走できない。なお、今年の凱旋門賞はシンエンペラー（牡３・矢作）が日本馬でただ一頭、出走予定。また、独ＧＩベルリン大賞を制したアルリファー（牡４・Ｊオブライエン＝愛）は武豊とのコンビで出走を予定している。