スカウティングと準備で葛飾野がかえつ有明とのPK戦を制し、関東大会予選&決勝進出へ
令和5年度東京新人戦(新人選手権大会)が18日、都内各地で行われ、都内各地で行われ、第1 地区準決勝で葛飾野とかえつ有明が対戦した。 【フォトギャラリー】都立葛飾野 vs かえつ有明 4‐3‐3のミラーゲーム。序盤から双方、カウンターの仕掛けあいの主導権争いとなった。ボールを奪う際、選手同士がぶつかり骨の軋む音が聞こえるほどの肉弾戦が続いた。 葛飾野が押し気味にゲームを進めるなか、最大の決定機が訪れたのは0‐0で迎えた後半17分。ドリブルで抜け出した途中出場の葛飾野FW17木村倖輝(2年)が相手GKと1対1に。放ったシュートは一度、阻まれたが、再度、こぼれ球に詰めたものの決められず。FW17木村、思わず、天を仰ぎ、悔しがった。 両チーム、1点を狙い、ベンチワークを駆使するなか、試合は延長戦に突入。明るかった空はいつしか暗くなり、グラウンドにはライトが灯された。 前後半10分ずつの延長戦はかえつ有明が押し気味に進めたが決着つかず、PKへ。 先攻のかえつ有明が2人続けて決める一方、後攻の葛飾野は2人連続で失敗。3人目、かえつ有明が外すと葛飾野がようやくゴールイン。続く4人目、決めて優位に進めたい、かえつ有明だったが、葛飾野GK1ドゥエニャス・ラリー・ジュニア(1年)がシュートストップ。後攻の葛飾野が決め、これで2‐2とし息を吹き返した。 すべてが託された5人目。かえつ有明が大きく外すと、葛飾野DF4福田倖太郎 (2年)がきっちり決め、3‐2で辛くも勝利。関東大会予選&決勝進出を決めた。 「1点勝負だなと思いました。1点取れれば勝ちに近づけますが、相手に粘られると怖いなと感じていました」と振り返る葛飾野の張卓士監督。0-0で進む緊張感のある試合に「時間の経過につれ、うちのペースでなくなることもわかっていました。交代の準備を進めるなか、先に動くべきかどうか、本当に迷いました」と駆け引きの難しさを語った。 またチームは体調不良の選手が相次ぎ、主力選手が揃わない、苦しい台所事情。張監督曰く「満身創痍」で臨んだ一戦。技術的に上回っているとした、かえつ有明に対し、葛飾野はスカウティングとそのスカウティングに基づく準備で対抗した。これが実り、粘りのある守備からの縦に速い攻撃が100分間、実行できた。 「選手は最後まで集中を切らさず、目立ったミスもありませんでした。延長ではかえつ有明でしたが前後半ともに決定機、シュート本数も上回り、得点以外のところでは良くできました」と手ごたえを語るとともに「あとはフィニッシュのところだけ」と課題を挙げた。 スカウティングはPK戦も同じ。ほぼデータ通りの展開となり、もつれ、ひりつくゲームに蹴りをつけた。 (文・写真=佐藤亮太)