ハリス・トランプ両氏「最重要」ペンシルベニアで最後の訴え…「ラストベルト」労働者票を争奪
【ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)=淵上隆悠、ワシントン=田島大志】5日に投開票日を迎える米大統領選は4日、民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領の両候補が、最後の訴えを行った。史上まれにみる大接戦が続いており、両氏は勝敗のカギを握る「最重要州」と位置付けられるペンシルベニア州を回り、火花を散らした。
米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」がまとめた4日午後9時現在の世論調査平均支持率では、両候補が48・5%と同率で並んだ。
米大統領選は全米50州と首都ワシントンに割り振られた計538人の選挙人を争う仕組みで、焦点は七つある激戦州の動向だ。特にペンシルベニア州は選挙人19人と最も多い。RCPがまとめた同州の平均支持率は、トランプ氏が0・2ポイント差でわずかにリードする。かつて製造業がさかんだった「ラストベルト」の一角に位置し、労働者票の激しい争奪戦を展開している。
ハリス氏は4日、同州アレンタウンでの集会で労働者層の減税や医療費の低減を主張し、「残り1日だが、勢いは我々にある。米国に新世代のリーダーが誕生する時が来た。私はその準備ができている」と自信を示した。
同州ピッツバーグのハリス氏の集会に参加したロバート・ベネットさん(64)は「トランプ氏が大統領になれば民主主義が後退する。私の1票にかかっている」と語った。
トランプ氏は4日、ピッツバーグでの集会で「4年前よりも今の方が暮らし向きが良い人はいるか」と問いかけた上で、「過去4年間、ハリスは物価高騰と経済的窮状をもたらし、国外では戦争と混乱を引き起こした」と厳しく批判した。
集会参加者のジョン・パーコンさん(66)は「トランプ氏なら民主党がめちゃくちゃにした経済や国境を立て直し、正しい道に導いてくれる」と述べた。
投票は5日朝(日本時間5日夜)、東部各州から始まる。5日夜までに締め切られ、即日開票される。勝者判明には数日かかるとの見方もある。