名古屋市教委の金品受領問題「犯罪性大きい」 河村市長が定例会見
名古屋市教委の金品受領問題「犯罪性大きい」 河村市長が定例会見
名古屋市の河村たかし市長は19日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋市教育委員会が校長会などの教員団体から長年にわたり金品を受領していた問題について、「校長や教頭などの人事権限を持っている人にこれどうぞと現金を贈るということは、賄賂の犯罪構成要件とぴったり合うんじゃないですか」と犯罪性が大きいとの見解を示した。今後、教育行政の専門家や弁護士による調査検証チームを設置して事実関係の解明などを進めるという。 【動画】名古屋市の河村市長が定例会見(2024年2月19日)
「誰もおかしいと言わなかったのか」と疑問呈す
金品授受は少なくとも20年以上前から続いていた慣例と見られている。市教委によると、2023年度は約60団体から計200万円程度の現金や商品券が市教委側に贈られ、教職員課が人事案の作成など深夜業務を担う職員の飲食費や採用試験後の打ち上げなどに充てていた。各団体からは金品とともに次年度の市立小中校の校長や教頭、教務主任に就く資格のある教員のリストが提出されていた。 河村市長は自身で「30年前からあったが、当時は商品券までだった」などの証言を聞いたとして「商品券がいつ現金になったのか。誰もおかしいと言わなかったのはなぜなのか。教員社会ってそうなっちゃってるのか」と疑問を呈した上で、「採用への影響がないとは常識的には考えられん」と指摘。「賄賂罪というのは普通は特定の個人(が対象)。これは個人もあるかも分かりませんけど、構造犯罪というか構造腐敗というか、恐ろしい」と述べた。 調査検証チームは元文部官僚で大学教授の寺脇研氏に座長を打診しており、初回の会議日程などを調整中だという。
名古屋城差別発言、中間報告受けあらためて陳謝
名古屋城のバリアフリーに関する市民討論会で障害者に対する差別発言が出た問題について、市の検証委員会から市側の対応の不備を指摘する中間報告を14日に受け、「あらためて当事者や心を痛められた方にお詫び申し上げる」と陳謝した。 市民討論会は昨年6月に開かれ、天守閣木造復元時のエレベーター設置を巡り、一部の市民が車いすの参加者に対して「ずうずうしい」「我慢せえ」などと発言。市は復元事業をストップし、市の対応が適切だったかどうかを弁護士などによる委員会で検証していた。 河村市長は「差別発言に対する職員の問題意識が欠如していた」などの中間報告の指摘に「無作為抽出(の参加者同士)でいろんな意見が出ると予想されるときはケンカにならんように気を付けましょうねと普通は始まる前に言うが、あのときは言わんかった。事前の危機管理が甘かった」と反省の弁を述べた。 また、河村市長が討論会の閉会あいさつで「熱いトークがあってよかった」などとした発言も「私としては市民に自由闊達な意見をいただいて感謝しているという趣旨だったが、差別発言を容認しているとの誤解を招き、車いすの方が傷付けられたということだったら不適切な発言だったと認識している」と釈明した。 (関口威人/nameken)