オーストリアで連立交渉が決裂 第2党のネハンマー首相が辞任表明
昨年9月の国民議会(下院)総選挙で極右・自由党が初めて第1党となったオーストリアで、ネハンマー首相率いる第2党の中道右派・国民党がリベラル政党などと進めていた連立交渉が決裂した。ネハンマー氏は4日、辞任を表明した。 総選挙では移民規制の強化や対ロシア制裁の中止などを掲げる自由党が29%を得票し第1党となった。だが自由党との連立に前向きな政党がなく、ファンデアベレン大統領は国民党に組閣を要請した。国民党は中道左派・社会民主党とリベラル政党ネオスとの3党による連立を協議していたが、ネオスは3日、交渉からの離脱を表明。4日には社民党との交渉も決裂した。 AP通信によると、オーストリアは財政赤字がEU基準の国内総生産(GDP)比3%を超える3・7%で、失業率も上昇している。連立交渉では経済対策を巡る政策が折り合わなかった。 こうした事態を受け、ネハンマー氏は4日、首相と党首を辞任することを表明した。 オーストリアメディアは、今後国民党が自由党との連立を模索するか、前倒し総選挙が行われる可能性があると指摘している。【ベルリン五十嵐朋子】