高津監督は1位指名を公表せず「当日を楽しみにしていただけたら」とけむに巻いた（撮影・大橋純人）

「プロ野球ドラフト会議　supported　by　リポビタンD」は24日午後4時50分から東京都内のホテルで開催される。各球団は23日、直前のスカウト会議を開き、広島以外の11球団が1位指名を非公表とした。2年連続セ・リーグ5位からの巻き返しを図るヤクルトは東京・北青山の球団事務所で会議を開き、1位指名選手を決定。競合した場合のくじ引き役に決まった高津臣吾監督（55）は「当日楽しみにしていただけたら」と不敵に笑い、けむに巻いた。 運命のドラフト会議を翌日に控え、各球団が腹の探り合いをする異例の展開となった。広島が明大・宗山を公言した以外、11球団が1位指名を非公表。9球団が公表した2022年とは一転した形だ。スカウト会議に参加したヤクルト・高津監督は取材に応じたが不敵に笑い、〝カーテン〟を引いた。 「公表はしません。当日を楽しみにしていただけたら。チームにとっても、選手にとっても将来が決まる大きな一日だと思っているので、しっかりと指名させていただきたい」 どこが誰を指名するのか―。今ドラフトでは大学生、高校生の投手、野手ともに好素材が並ぶが、昨年の「東都7人衆」のように各球団が満場一致で1位候補に挙げるような選手が多くいるわけでもない。来季の補強ポイント、今後の描くビジョンの違いはもちろんだが、相手の出方をうかがっている形だ。 2年連続セ・リーグ5位からの巻き返しを図るヤクルトは、1位指名選手を決定。今季のチーム防御率3・64はリーグワーストで、投手陣の立て直しは急務となっている。即戦力投手と考えれば最速154キロ左腕の関大・金丸、同159キロ右腕の愛知工大・中村が有力候補だ。 一方で、核となる野手の出現も望まれている。来季で山田は33歳を迎え、村上が26年シーズンからメジャーリーグに挑戦する可能性も高い。オスナ、サンタナと来季から3年契約を結んでいるものの、チームの中心となる野手も必要なことは確かだ。高い守備力と巧打で即戦力として期待される明大・宗山が野手では筆頭候補に挙がる。 高津監督は巧みな話術で報道陣をけむに巻いた。「女性から人気が出そうか？」との問いには「わかんない。女性じゃないので。魅力はあると思いますよ。いいバッティングしてるんで（笑）」と野手の指名をにおわせる場面も。さらに、近年は投手の1位指名が続いているが、1位指名で競合に敗れた場合を聞かれ「野手、野手。あるかもね。いろいろなシミュレーションをしといてください」と笑みを浮かべた。

スワローズの未来を担う選手を選ぶ重要な一日。恒例となった明治神宮参拝を経て、運命の会場に向かう。