JR西日本、突然「Tシャツ勤務」OKにした深い理由 JR東海は新幹線通勤時間を勤務としてカウント
■休憩室にテントも ようやく全体の計画が決まったが、斎藤さんと塩見さんは「まだハードが決まっただけ」と気を抜く様子はない。「オフィスが変わっても社員のマインドが変わらないと意味がない」。 もっとも、その兆しはすでに鉄道本部以外でも芽吹いている。長谷川社長は「鉄道の現場でも意識が変わりつつある」と話す。その一例として、「先日、新幹線の清掃をするグループ会社の詰所を訪れたら、休憩室がサロンのようになっており、社員同士がコミュニケーションしやすくなっていた」と話す。さらに「休憩室の一角にテントが張ってあった」。確かに、明るい休憩室よりもテントの中で休憩するほうがよりリラックスできる。これらは社員たちが自ら考えたアイデアだという。
【2024年6月3日8時30分 追記】記事初出時、長谷川社長の発言に関する記述に誤りがありましたので、上記を修正しました。 大事故につながりかねない「リスクの芽」は至るところに潜んでいる。「ルールには記載がないが、こんなときどうする?」。慣習や先入観にとらわれず、自分の頭で考えて最善の行動を取ることは、鉄道運行にも当てはまる。
大坂 直樹 :東洋経済 記者