力強く、しなやかに進化したGクラス、メルセデスAMG「G63 Launch Edition」
「G」=ゲレンデヴァーゲンのルーツは1926年に誕生した「G1」からスタートしている。その当時の開発コンセプトは「すべての道を、確実に、快適に、そして安全に走破する」というもので、これは現在のスタイリングのベースになった1979年式はもちろん、現行モデルでも変わっていない。 【写真21枚】ド迫力のメルセデスAMG「G63 Launch Edition」はバンパーやドアミラー、スペアタイヤリングなどがすべてブラックに!写真でディテールをチェックする
ついにハイブリッドモデル、EVが登場
最近ではSUVの仲間に入れられがちだが「Gクラス」はクロスカントリー4WDというジャンルのクルマだ。ライバルは、ランドローバー「ディフェンダー」、ジープ「ラングラー」、トヨタ「ランドクルーザー250」が挙げられる。 「Gクラス」のこだわりはこのスタイリングだ。1979年にデビューした当時とほぼ同じデザインを踏襲している。実に45年間も同メーカーはフルモデルチェンジとは一切言わず、アップデートという言葉で、新しい「Gクラス」を紹介した。 その新型「Gクラス」は本社の開発チームと、メルセデスAMG社が協業してサスペンションなどを開発。乗り心地とハンドリングは飛躍的に向上した。 そして2024年7月「Gクラス」はさらに進化した。時代の流れに合わせてこれまでも進化してきたが、ついに、ハイブリッド化を採用したのだ。さらに、10月には電気自動車(EV)のGクラス、「G580 with EQ Technoloy」も発表された。EVの「Gクラス」に関しては、別の機会に試乗レポートを書くことにしたい。 今後、もしEVが主流になるとしたら、今回の「Gクラス」は最後のエンジン搭載モデルになるかもしれない。そんな思いを抱きながら、メルセデスAMG「G63 Launch Edition」(ローンチエディション)の試乗に出かけた。ここで新しくなった「Gクラス」のバリエーションを紹介しておこう。 ラインナップは「G450d」と「G63」で、前者はメルセデス・ベンツ「G450d Launch Edition」が正式名称になる。直6、3.0Lディーゼルターボエンジンを搭載、マイルドハイブリッド仕様で、2110万円。そして、メルセデスAMG「G63 Launch Edition」3080万円がある。 パワーユニットはV8、4.0Lガソリンツインターボ+マイルドハイブリッドだ。いずれLaunch Editionではなく、ノーマル仕様も発売される予定だが、車両本体価格は現時点では発表されていない。 試乗したのは「G63」だがAMGナイトパッケージが標準装備となっているので、外観は縦方向のバーグリルをはじめバンパーやドアミラー、スペアタイヤリングなどがすべてブラックになると同時に「G63」では初採用のAMGカーボンファイバーエクステリアパッケージも装備されている。ホイールは21インチのアルミが標準だが、22インチの鍛造アルミも用意されている。試乗車は21インチ、285/45Rサイズのピレリのタイヤ「スコーピオンゼロ」を装着していた。 内装もハンドルはAMGパフォーマンスステアリングを装着。コックピットディスプレイは専用のディスプレイスタイルで、コントロールスイッチもAMGドライブを採用している。インテリアトリムはAMGカーボンファイバーで、ナッパレザーのシート、ダッシュボード、ルーフハンドルが装備されているという仕様だ。 パワーユニットはV8、4.0Lガソリンツインターボだが、AMG本社の技術者が「1人、1エンジン」で生産され、585PS、850Nm+48V電気システムにより20PS、200Nmのモーターが電動ブーストとして作動する。実際にスタートすると、出足の動きはマイルドで、旧型のように唐突に動き出さない。モーターの力が活かされ、約2.6tの車体はスムーズに滑り出すようにスタートする。