芸歴20年の真木よう子、“女優”扱いは「嫌いというか苦手」
女優・真木よう子が、自身初の「朗読」に挑戦した。作品は、作家・桜木紫乃氏が手掛けた「直木賞」受賞作品の『ホテルローヤル』。幼少時から文学や漫画をこよなく愛し、今年芸歴20周年を迎えた真木にとっても、小説との新たな形での出合いは刺激的なものになったようだ――。
真木は、朗読された本、「ボイスブック」や「落語」等のオーディオエンターテインメントをアプリやクラウドプレイヤー等でいつでもどこでも聴くことができる「Audible(オーディブル)」、そのスペシャルコンテンツとして今回『ホテルローヤル』の朗読を務めた。 同作は、2015年に映画化もされた「起終点駅 ターミナル」や今年8月に新刊した『ふたりぐらし』などの作品で知られる桜木氏の手によるもの。北海道の釧路郊外の小さな町にあるラブホテルを舞台に、ホテルを訪れる人たちの人間模様や悲哀を全7編の物語で表現。 15歳の多感な時期に父親がラブホテルを開業し、部屋の掃除など家業を手伝っていた桜木氏の過去の記憶も作品には反映されている。 真木は、初めて同作を読んだ時の印象を「言葉を選ばず単刀直入に言えば、(作品の世界に)どんどん引き込まれていきました。一つひとつのお話が要所要所で繋がっていて、読み進んでいくとあっと驚く部分や『もしかしてこの2人が……』がと思う章があったりして、ワクワクしながら読めましたし、ちょっとミステリアスなところもあったりして、すごく面白かったです。普通に楽しんで読んじゃいました」と語る。
「朗読」は難しい作業
女優としてこれまで数多くの映画やドラマに出演してきた真木だが、「朗読」という形で作品を表現をするのは今回が初めてとなる。 「小説は文字で状況とかを説明し、読者を物語の世界に誘うものだと思うのですが、『朗読』は自分の声を聴かせて風景とかを理解してもらうという形なので、難しい作業だなと覚悟を決めて臨みました。自分の気持ち、感情を表に出し過ぎてもいけないし、ただ淡々と読んでいるだけでは聴いている方の頭の中に入っていかないだろうし…。なるべく聴いている方が飽きないようにとか、そういったところは気をつけながらやらせて頂きました」 そして、「まず桜木紫乃さんが書かれた『ホテルローヤル』という作品があって。そして、今回の役者が読んだ『ホテルローヤル』という作品もあって。それぞれ別物として捉えて頂いた方がいいのかなと。私の声を通すことで、本として読むのとはまた違った風景が見えてくることもあると思いますし。試しに、真木よう子が読んだ『ホテルローヤル』というものを聴いて頂けたらうれしいです」と続ける。