「過去最高額給与を公開した」やす子 『24時間テレビ』高額ギャラ疑惑が発生する「業界のカラクリ」
お笑い芸人・やす子にツッコミが殺到している――。 事の発端は、11月1日に放送された『ザ・共通テン!日本中の名品を食らう&食費パンパン女子大集合SP』(フジテレビ系)でのこと。この日はゲストのやす子がショッピングを楽しむ様子に密着していたのだが、ロケ収録日がたまたま給料日だったということで、その場で振り込まれたギャランティーの金額を確認したのだった。 【画像】やす子への暴言で炎上のフワちゃん…パンパンに膨らんだビニール袋を抱えて「向かった先」 金額を見たやす子は 「ええっ!」 と絶叫し、続けて 「何があったんだ?」 と叫んだ。誰でも想像がつくと思うが、振り込まれた金額が想像以上だったということだろう。 ◆出演した2ヵ月後に振り込まれるテレビのギャラ それが証拠に、彼女は 「過去最高額です」 と目を輝かせ、スタジオでも、金額を見た瞬間に 「笑いが止まらなかったです」 と話していた。 いったいいくら振り込まれていたのか、気になるところだが、 「すべての事務所とは言えませんが、最近は事務所とタレントの関係が改善され、昔のようなギャラの7割から9割を事務所が取ってしまうことはなくなりました。5割が普通で、多くても6割でしょう。やす子は今最も売れている芸人ですから、普段けっこうなギャラをもらっていると思います。それでも、あんなに仰天したということは、かなりの金額なんでしょう」(大手芸能プロ幹部) もちろん例外もあるが、やす子自身も語っていたように、テレビなどの出演料は仕事をした月の2ヵ月後に支払われることが多い。局から事務所に振り込まれ、そこから事務所の取り分を引いて、タレント本人に支払われる。 「番組の放送が11月1日ということは、ロケはおそらく短くて放送の2週間前、編集などに時間がかかったとしても10月中には行われたと思われます。その時期にギャラが振り込まれたということは逆算すると、8月にやった仕事の分ですね。その時期にやす子がどれだけ仕事をしていたかによりますが、破格のギャラに該当するとすれば、“あれ”しかないでしょう」(テレビ局プロデューサー) 出演番組が急激に増えているやす子だが、高額の報酬が考えられる仕事といえば……。視聴者の頭をよぎったのは8月31日から9月1日にわたって放送された『24時間テレビ47 愛は地球を救うのか』(日本テレビ系)だろう。 毎年恒例の番組の目玉企画『チャリティーマラソン』の今年の走者に選ばれたやす子だが、その出演料、つまりギャラについていろいろと取りざたされた。 もう何年も前から、『チャリティーマラソン』のギャラについては賛否両論の意見が飛び交う状況となっている。最も多いのが、 「チャリティーなのに高額の出演料が支払われるのはおかしい」 という意見だが、広告代理店社員によれば、 「その意見の前提はギャラが“高額”ということです。実際、金額は明らかになっていないが、1000万円という数字が一人歩きしています。もし事実だとすれば、番組1本の出演料として考えた場合、これは破格と言っていいでしょう。一般には考えられない金額ですが、ハリウッドの超有名スターがスタジオ生出演などする場合には、ありうる数字です」(広告代理店社員) とはいってもやはりチャリティー番組なのだから性格は異なってくる。 ◆ノーギャラは自分の申し出 巷にあふれたそんな声に対し、やす子本人は自身のSNSで、 《チャリティーマラソンのギャラ1000万円ってデマが飛び交ってるけど、一銭もいただいてないですよ!憶測やデマを信じちゃうのやめたほうがいいですよ》 と反論。続けて、 《“ノーギャラ”は『自分の申し出なので』》 と明らかにした。 だが今回、高額のギャラが振り込まれていたことが本人の口から明らかにされ、それが『マラソン』に対して払われた報酬なのかどうかもわからないまま。視聴者は彼女にツッコミを入れ出した。世間からしてみれば“なんだよ、お金貰ってるんじゃないか”とツッコみたくなる気持ちはよくわかる。 前出の大手芸能プロ幹部はこう語る。 「日本テレビから事務所へ支払われた分が高額だったことは想像できます。というのもその時期、1ヵ月半にわたって彼女は本番に向けて、毎日のようにトレーニングしていたはずですから、ほかの仕事の量はそれほど多くなかったと思います。1日のうちに取られる時間も多く、実際に走るわけですから、疲労も半端じゃない。必然的に他の仕事をセーブしなければいけなくなります。その期間に仕事できた分を補填する意味でも、“必要経費”というか“制作協力費”として日テレが支払っているハズです。番組中にやす子がスマホで確認した振込金額ですが、給料の総額で表されていたのか、内訳が書かれていたかどうかわかりませんけれど、たとえ内訳があったとしても、個別の出演料ではなく日テレで仕事した分を総額で書かれていたとしたら、本人は『24時間テレビ』絡みかはわからないでしょうね」 そうでなければ、トレーニングしている間は収入が減るわけで、彼女自身も事務所も困窮してしまう。 しかし彼女が驚愕して笑いが止まらなくなるくらいだから、相当な額なのだろう。本人が月収の内訳を明らかにしない限り、真相は藪の中だし、けっしてやす子が嘘を言っていたわけでもなく、彼女に責任はないと思える。 実は日本テレビも毎回噴き出す疑問の声を無視していたわけではない。’00年にBPOを通じて視聴者からの質問にこう答えている。 《『24時間テレビ』に出演して頂いたタレントのギャラについては、基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払をしております》 《タレントによっては謝礼を辞退される方もいらっしゃいます》 とはいっても、指摘されているのは、“チャリティー番組”の出演者にどんな形だろうとお金が支払われているという点の不可解さだ。毎回噴き出すギャラ疑惑にはうんざりしている人も多い。 出演者にも“チャリティー意識”を高めてもらうよう、いっそのこと、支払ったギャラに関しては、寄付したい人は寄付してもらい、それを発表するようにしたらどうだろう。出演を引き受けるタレントが皆無となる危険性はあるがーー。 取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
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