韓国の若者「飾らないコンテンツ」で本音を共有…「他者を意識」に疲労感
【12月10日 KOREA WAVE】これまでSNSで加工された写真を投稿し、自身の生活をアピールしてきたMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)が最近、「飾らないコンテンツ」に目を向けるようになっている。これは、他者を意識し、比較することによる疲労感を、より率直なコンテンツを通じて解消したいという心理が背景にあると分析されている。 メタが運営するSNS「スレッド」は、今年11月の新規利用者数が3500万人に達した。第3四半期には月間アクティブユーザー(MAU)が2億7500万人に到達したとの報告もある。 この急成長の背景には、イーロン・マスク氏が「X」(旧ツイッター)を買収した後に起きた大規模解雇や反ユダヤ主義発言などの論争が影響し、一部の利用者がXを離れたことが挙げられる。 スレッドはXと同様にテキストベースのSNSだが、インスタグラムのように画像のアップロードが必須ではなく、文章だけでも投稿が可能だ。「日常」というキーワードで検索すると、運動や旅行、料理、風景、リハビリなど、さまざまなテーマの投稿が表示される。投稿者たちは「通勤中に善行を施す学生を見て自分を振り返った」「家にある材料でベーコン炒飯を作ってみた」など、日常の思いや出来事を飾らずに共有している。 韓国国内でもスレッドの人気は急上昇している。アプリ統計分析サービス「モバイルインデックス」によれば、11月の韓国内MAUは400万人を超えた。昨年7月のリリース時(97万人)から約1年で4倍以上増加した。SNS分野のアプリ使用量ランキングも1年で6ランク上昇し、昨年10月の14位から今年11月には8位となった。 専門家らは、写真中心の「見せるSNS」によるユーザーの疲労感がスレッドの人気を押し上げた要因と指摘している。コンテンツを作成する側は過剰なプレッシャーを感じ、閲覧する側は他者と比較して相対的な剥奪感を覚えることが、ストレスにつながっていると分析されている。 ソウル大学心理学科のクァク・クムジュ教授は「スレッドでは、率直な考えや辛い気持ちを吐露することで、むしろ注目を集める傾向がある。インスタグラムなどで感じてきた疲れから解放され、気軽にコンテンツを楽しみたいという欲求が背景にある」と説明する。 無加工をテーマにしたSNS「ビーリアル(Be Real)」も国内外で関心を集めている。「リアルであれ」という名前の通り、従来の演出された写真とは一線を画すアプリだ。 このアプリでは、不定期に通知が届く。その時には、2分以内に自分の周囲の環境とセルフィーを同時に撮影し、投稿する必要がある。投稿には撮影時刻が表示され、遅れて投稿すると遅延時間も記録される。加工なしで「ありのままの日常」を共有するという趣旨だ。 さらに、閉鎖型SNS「ロケットウィジェット」も注目されている。このアプリでは、設定した最大20人の友人とだけ交流できる点が特徴だ。「親しい友人」や「大切な人」と写真を共有するウィジェットを追加し、限られた相手とプライベートなやりとりを楽しむ仕組みだ。 ロケットウィジェット側は「友人とのやりとりは追跡されないため、フォロワー数や『いいね』を気にせず、大切な人と本来の自分を楽しむことができる」とサービスの特徴を説明している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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