意味のない言葉が有機的につながっていく作品群 コラージュ作家MARCOMONKこと大石祐介インタビュー
WWD:クライアントワークでは説得性だったり、明確なメッセージを求められる場面も多いと思うのですが、広告と作品で考え方を分けていることはありますか?
大石:ほとんどないです。クライアントも含めて僕を選んでくれた人たちとの相性が良かったっていうこともありますけど、すごく苦労したことはそこまでないですね。自分の提案がたまたま通じたことが多い気がします。辛い記憶を消しているのかもしれないけど(笑)。
WWD:ここでも、人だったりコミュニティーが重要になってくるんですね。
大石:自分は基本コミュニティーとかをあまり意識していなくて。ボヤっとしてるんですが、友達の派閥というかセグメントみたいなものはあまり得意ではないんです。ただ、自分がおもしろい!楽しい!みたいな感覚を共有できる人達と関係を築いている感じですね。とにかく、人と人がつながって行くのがおもしろい。なので、最近はタイミングが合えば地元の函館にもなるべく帰るようにしています。知らない世代との交流は本当に楽しいんです。
WWD:何かを俯瞰で見たり、距離感を取ることは作品にも反映されたりするのでしょうか?
大石:距離感はとても大事にしてます。自然に身についた部分もあります。でも、作品に反映されているかはわからないですね。コラージュに関しては初期衝動がすべてだと思うので、見る人が自由に感じてもらえればうれいしです。
WWD:展示から1週間で全作品が売り切れたと聞きました。
大石:最初は売れるのかな?と思っていましたけど、そもそも単純に「おもしろい」「配色が好き」「見ていて楽しい」という意見をもらえたことが一番嬉しいです。これまでの写真やコラージュでも “売る“を意識して作ったことはなくて。アートを買う行為にハードルの高さを感じる人がいますけど、僕の作品は気に入ったフライヤーの気分で見てほしいです。「なんか良かった」が最高の褒め言葉ですし、コンセプトも分からないし語れない、だから僕はアーティストではないんです。結果、完売したのはとてもありがたくて、めちゃくちゃうれしいですけどね(笑)。