意味のない言葉が有機的につながっていく作品群 コラージュ作家MARCOMONKこと大石祐介インタビュー
WWD:好きだけど、影響を受けるまでには至らないようにしている。
大石:わからないですけど、誰かの真似はしたくないし、引っ張られるのも嫌なんです。その可能性があることは避けるようにはしています。写真でも映像でも、初期衝動は重要ですが、必要以上に掘り下げることはしないですね。ミシェル・ゴンドリー(Michel Gondry)やスパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)も大好きですし、好きな写真家もたくさんいます。だけど、特定のアーティストだったりクリエイターではなくて、遊びの中だったり誰かを追いかけている現場で見たもの、感じたことに影響を受けています。もちろん、ニューヨークで撮影していた時に見たアートに感激したこととかはありますけど。例えば、札幌に住んでいた時にプレシャスホールによく行っていて、フライヤーのデザインがかっこよかったので集めたりしてましたね。
WWD:誰かとの出会いだったり、現場の出来事が数珠つなぎに自然と作品に反映されていくんでしょうね。作品を作る上で大切にしていることは何ですか?
大石:写真や映像に関しては、感覚が少しずつ変わったりはしますね。写真集を出した頃は、映画のワンシーンを切り取るような撮り方を意識していました。で、やりすぎちゃって縦の写真が撮れなくなった後に、ひたすら縦で撮影したこともありましたね。映像でいうと、ドキュメンタリーは好きだけど、自分の思うように撮影して音楽を組み合わせる、ダンス的な部分というか、音と映像のリズムの心地良さを追及している作業が一番楽しいですね。
理屈抜きに気持ちいいっていうのは写真にも映像にも共通して目指していることかもしれないですね。コンセプトとかテーマとかも関係ない……普遍的な要素というか。だから写真を撮っていて楽しいのは日常です。仕事の場合はできる範囲はやりますけど、レタッチとかはなるべくしたくない。自然な写真が好きなので。