【松下洸平さん×松下優也さん】「どう相手と仲良くなる?」2人のコミュニケーション術や、運命的なW松下の裏話も!『ケイン&アベル』特別対談
稽古場=「遊び場」(優也さん)「失敗していい場所」(洸平さん)
―――稽古はこれからだと思いますが、どんな雰囲気になりそうですか。 優也:脚本と演出を手がけるダニエル・ゴールドスタインさんの動画が製作発表の時に流れたけど、すごく優しそうな雰囲気だったね。 洸平:優しそうだったよね。 優也:僕は稽古場は遊び場だと思っています。お客さんもいないし、いろいろ試して一番いいものをステージに持っていくための準備の場所。ステージはお客さんを迎えているから作り手の責任があるけれど、稽古場では責任はない。だからいろいろ試しますし、いろいろアイデアを出す。自分にとって稽古場は楽しむ場所です。 洸平:優也くんと似ていますけど、僕にとっての稽古場は失敗していい場所、失敗しに行く場所ですね。稽古場で失敗を重ねて、自分に何ができていないのか、何が足りないのかを見つけて、本番に一つでも残したくない。そう言う意味では何をやっていい場所だと思うし、トライすることが大切だと思います。 ―――話が少しミュージカルから逸れますが、制作発表では2人の“運命的な共通点”について話されていました。詳しく教えてもらえますか。 優也:そうそう、Wikipediaで見たんだけど、洸平さんは2008年11月メジャーデビューなんだよね。僕も2008年11月のメジャーデビューなの。 洸平:本当に? 優也:そう、さらにびっくりなのが洸平さんの初舞台が2009年とあったんだけど、僕も2009年初舞台なの。 洸平:えええ! すごいね。
ミュージカル畑じゃない、同じ音楽を目指す2人だからできる新しいミュージカル表現
―――同時期にデビュー、そして初舞台とは運命的です。お2人は音楽と役者の仕事を並行しているのも共通していますが、音楽のジャンルにも共通点があるそうですね。 優也:僕らみたいな音楽をやっている人って、実はそう多くはないんです。好きなもの、マニアックな部分、いろいろなバランスを見ながら表現しているわけですが、最終的なアウトプットは多少の差があっても、すごく似ていますね。その辺りについてディープに話せる相手は貴重です。 洸平:さっき撮影の時にちょっと話したら、共通の友人が何人もいたよね。音楽の現場だとたくさんいるけど、こういう音楽以外の現場で会う人が音楽界隈の友達が一緒というのがあまりないので、とても嬉しいんです。 優也:『ケイン&アベル』は僕と洸平さんという、ミュージカル畑の人じゃない2人が新作を作っていきます。僕らだからできること、僕らの歌だからできることがあるんじゃないかと思っています。日本のミュージカルのイメージって、割と古典的でクラシックだと思いますが、世界的に見ればここ10年20年で大きく変わってきていて。例えば僕が出演させてもらった『イン・ザ・ハイツ』という作品は、ラテンやヒップホップが使われていて、同じ作曲家のリン=マニュエル・ミランダが作ったミュージカル『ハミルトン』はラップやR&Bもある。アリシア・キーズやマイケル・ジャクソンのミュージカルがあったりと、新しいミュージカルがどんどん増えている。昔から受け継がれている素晴らしいものも残しつつ、そこから新しいものを作っていく。洸平さんと僕の歌で、どんな新しいものが作れるのか。開拓者になった気持ちで、初演の僕たちにしかできないものを作りたいです。 洸平:僕も全く同じで、ミュージカルの経験が決して多いわけではない僕ら2人がキャスティングされたということは、新しい試みだと思うし、オリジナリティあふれるものができるんじゃないかなと思います。ベテランの山口祐一郎さん、咲妃みゆさん、知念里奈さんらが入ってくれる安心感もありながら、泥臭い僕らがどこまで面白く崩していけるか。楽しみにしていてください。