【松下洸平さん×松下優也さん】「どう相手と仲良くなる?」2人のコミュニケーション術や、運命的なW松下の裏話も!『ケイン&アベル』特別対談
相手を知るコミュニケーション術は「お酒を飲む」と「人の話を聞く」
―――ケインとアベル、対照的な2人だからこそ好みが分かれると思います。演じる役を抜きにして、ご自身はケインとアベル、どちらが好きでしょうか。 優也:人として好きなのはケインだけど、自分が演じるならアベルしかないかな。 洸平:へぇ~、僕は優也くんのケインもすごく見てみたい。 優也:正直(ケインを演じることは)全然想像できないんだけど、2人のマインドはすごく近いところにあると思っていて。メンタリティも自分自身とすごく近いところもあるので、どちらも思考から作り込んでいく必要がないくらいすんなりできる自信があります。 洸平:アベルは直感的であり、とても賢いからその両方を持っている人じゃないとできないと思うんです。優也くんはまさにそれがある人で、表立って見える強い野心と目的や目標を持って戦略的に進める頭脳派な部分、そして内側にある芯のある強さ。アベルはめちゃくちゃかっこいいですよね。僕自身も実はアベルの方が好きですね。どちらも魅力があるんですけど、大切な人を失ったり、悲しい出来事を乗り越えながらものし上がって行くアベルはかっこいいと思います。一方のケインは、裕福な家柄に生まれたことへのコンプレックスや敷かれたレールの上で生きて行かなければならない苦しみがあったりと、内に秘めた思いを感じる魅力的な人物。それを僕らしく表現していきたいと思います。
―――舞台作りの現場、人とのコミュニケーションにおいて「相手を知る」ことは重要だと思います。お2人は相手をよく知るためには、どんな方法でコミュニケーションを取りますか。 優也:やっぱりお酒を一緒に飲んだり、食事をしたりするのが早いと思います。稽古場では舞台を作るためのコミュニケーションが中心になってしまうから、世間話って意外とできないんですよね。だからこそ仕事以外の“ちゃんとしてない”部分が大事。洸平さんがお酒飲むと聞いて、ちょっと安心してます(笑)。 洸平:そうだよね、僕もプライベートの時間を共有するのは大切かなと思います。さっき言ってくれたように全然“毒”もあるから(笑)。そういうのを包み隠さず話せる相手がいるのは嬉しいです。僕の場合は、人の話をたくさん聞くことですね。相手の気持ちやどうしたいかをどこまで受け止められるかは置いておいて、まずは相手の話をしっかり聞くこと。自分と違う意見があれば、どうすり合わせていくのかも考えたいです。ものづくりをする上で、スタッフやキャスト、他の人からの意見に正解がある時があります。“絶対にこうだ”と思っていたら、実際やってみると“こっちの方が良かった”みたいなこともあって。すべてを跳ね除けずに、とりあえず言われたことはやってみる。人間関係もそれの積み重ねだと思っています。 優也:「もっと人の話を聞け!」と、自分に言われている言葉かなと思いました(笑)。僕の場合、自分のことを知ってもらうことが一番手っ取り早いのかなと思って。お酒を一緒に飲んで話して、腹の中を知ってもらって「そんな大した人間じゃないんだよ」と分かってもらえるとすごく楽になれるというか。だけどそうやって自分の話ばかりしてしまうと、見た目とかこの性格もあって「ちょっと怖そう」と思われることもあるから難しいよね。 洸平:そうなんだ。こんな優しそうな雰囲気なのに。 優也:今日は表向きの日だからね(笑)。あとは仕事場以外でコミュニケーションを取ることで、その人の人柄や考え方が知れることで、仕事場での発言や行動がより理解できるようになります。点と点をつないで線にする、みたいな。相手の思考が分かれば相手をより素直に、深く受け入れられるようになる。そういう意味で仕事場以外のコミュニケーションが必要かなと思っています。