【関屋記念】NHKマイルCの「中団~後方勢」に好データ 舞台適性見込めるディスペランツァに好機
パラレルヴィジョンは位置取りがカギ
サマーマイルシリーズという視点でみると、米子S1、2着トゥードジボン、ディオがポイントの上積みを狙う。どちらもデータで優位な5歳馬であり、ここも有力と考えてよさそうだ。 前走GⅠ【2-2-4-19】勝率7.4%、複勝率29.6%は、古馬に限れば安田記念【0-2-1-7】複勝率30.0%が狙い目。13着パラレルヴィジョンがここから仕切り直しを図る。ただ、前走安田記念組はNHKマイルCの傾向とは正反対で、先行した馬【0-1-1-1】、後方から進めた馬【0-1-0-6】と先行力を評価したい。パラレルヴィジョンは4コーナー9番手だった。ダービー卿CTのように積極的に運んでくれれば、問題ないかもしれないが、構えて進めるようだと危ないかもしれない。直線が長いコースだが、その分、スローに流れることが多く、逃げ、先行が強い。瞬発力重視のステージは同時に位置取りの優位を生かせる舞台でもある。 本来、主力は前走GⅢ【5-7-4-63】勝率6.3%、複勝率20.3%だが、これは中京記念【3-6-2-32】勝率7.0%、複勝率25.6%が大半を占めるので注意だ。今年の中京記念は小倉芝1800m。過去、同舞台の中京記念経由は【1-0-0-1】。21年中京記念5着ロータスランドが勝ち、同1着アンドラステは8着に敗れた。そうなると、GⅢ組ではエプソムC【1-0-2-11】勝率7.1%、複勝率21.4%が有力だが、エプソムC10着以下は【0-0-0-4】で15着タイムトゥヘヴンに期待するのも厳しそうだ。 となると、サマーマイルシリーズの米子S【1-0-1-8】勝率10.0%、複勝率20.0%か。数字は決してよくないが、米子Sがサマーマイルシリーズになった20年以降は【1-0-1-3】で、22、23年に連続好走中だ。どちらも米子S2着以内なので、トゥードジボン、ディオが候補となる。 今年の米子Sは平坦の京都で行われ、1.31.5と速い時計が出た。新潟マイルにつながりそうな予感がある。レースはトゥードジボンが先手を奪い、序盤600m34.6、800m通過46.6と馬場を差し引けば、スローに近い流れだった。後半800m44.9、上がり33.5と後半が非常に速く、ラスト400mは10.9-11.2。トゥードジボンは好位から迫ったディオに1馬身半差をつけ、完勝した。京都芝1600m【3-0-1-1】のコース巧者で、京都だからこそのパフォーマンスにも映るので、新潟は初出走だということに注意したい。ディオは阪神、京都、中山で勝利しており、コースへの対応力を感じる。2頭の力差は米子Sの結果ほど開いていないと見た。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳