完璧なビジネスメールを作成が、仕事の評価につながるという勘違い
言葉遣いを親密レベルで考えてみよう
家族やパートナーに使う言葉と、お客さまや上司に使う言葉は違います。私たちは常に人との距離を測って、その場に合った言葉を選んでいるのです。 上記は、親密さを10段階に分けた表です。これは私が分類したもので、明確な根拠があるわけではありません が、これを使って、あなたの言葉遣いを「親密レベル」で捉えてみてください。
今すぐできる! 言葉のトーンを合わせる方法
相手が「親密レベル8」でコミュニケーションをとりたいのに、こちらが「親密レベル1」でコミュニケーションをとったら、お互いのトーンは合いません。相手は「距離をとられた」と感じたり「かみ合わない」と違和感を覚えたりするでしょう。 友人や家族との距離感で考えると、もっと分かりやすいでしょうか。普段は「親密レベル10」の相手から、いきなり「親密レベル5」でコミュニケーションをとられたら「怒っているのかな」と不安になるはずです。 分からないときは「相手のレベル」に合わせる、「馴れ馴れしいのでは」と不安があるなら「相手のレベルマイナス1の言葉」を選ぶようにしましょう。あなたにとっても相手にとっても心地よく感じられるメールが、簡単に書けるようになります。
あなたのメール、知らない人に見られているかも?
あなたと相手の、一対一でメールのやりとりをしていたとしても、そのメールの中身を第三者が見る可能性があります。 ○ケース1:共有、指示のために転送する 相手は、あなたとのメールをそのまま転送して、上司に相談をしたり、部下に指示を出したりしているかもしれません。そうなると、メールに書いていることは全て筒抜けです。 ○ケース2:引き継ぎのためにデータを共有する 退職や転職、異動の際に後任の人が、相手がこれまで使っていたメールデータを、丸々引き継ぐ可能性もあります。メールには、これまでの仕事の履歴がそのまま残っているので、非常に便利な「引き継ぎ資料」になり得るからです。 会社に対して「これは個人のものだ。データを引き継ぐのはおかしい」と抗議したくなるかもしれませんが、そもそも仕事に使っている時点で、メールの情報は会社の所有物と考える方が自然です。 どうですか。あなたは、今送っているメールの全てを、誰かに見せられますか。 新作が○月×日に発売されるんですよ! →本当に相手に伝えてもいい情報? この前の打ち合わせおもしろかったですwまたお願いします(^O^)/ →くだけすぎじゃない?
メールだからといって、気を抜かない
ずるい人は、こういったケースがあることを分かっているため、常にメールは第三者が見る可能性がある、と考えています。相手が問題視していなかったとしても、第三者があなたのメールの中に、不適切な言葉や不信感を生む内容が書いてあると判断したら、会社だけでなく、世間からの信用も失うかもしれません。 だからこそ、過度にくだけ過ぎたメールは送らない、万が一、公になったとしても、常に自分の正当性を説明できるレベルの書き方をすべきなのです。 どんな事態になっても、自分のことを守れるメールを書きましょう。
平野友朗(一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事)