【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第19ステージ】ログリッチが独走勝利でマイヨ・ロホ奪還! 3年ぶり4度目の総合優勝に前進
ログリッチは過酷な坂を全力で駆け抜け、第4、第8ステージに続く3回目の優勝を果たした。ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝は15回目。第6ステージから首位を守り続けたオコーナーは1分49秒遅れでゴール。ログリッチが第5ステージ以来となる総合1位に返り咲き、ここで首位に躍り出た。表彰台でログリッチがマイヨ・ロホを着用してみせるのは40回目だ。
ゴデュとスケルモースが46秒遅れ、マスが50秒遅れ。この結果総合成績ではオコーナーが1分54秒遅れの総合2位、マスが2分20秒遅れの総合3位、カラパスが2分54秒遅れの総合4位となった。
「最後の上りで本当にいい思い出ができたし、このチャンスを逃さなかった。うれしいよ! 明日は最後のビッグステージで、すごく厳しいものになるだろう。それにマドリードではいつものサーキットレースではなくタイムトライアルという決定的なステージがもうひとつあるから、戦いはまだ終わってない」とログリッチ。
一方で、「総合2位以下とタイム差がここまでつけられたことには感心しているよ。5分遅れよりはいい。だから自分のパフォーマンスには満足しているし、チームメイトたちにも満足している」と自信ものぞかせている。
ステージ3位になったスケルモースは4分47秒遅れの総合6位。初めてヤングライダー賞のジャージを獲得するとともに、表彰台が見える位置につけた。 「グランツールで総合優勝争いをするのは初めて。他の選手たちもそうだと思い。プリモシュ(ログリッチ)は違うかもしれないけどね」とコメント。
「毎日限界を超えないようにして、できるだけ自分を温存し、最小限の作業に留めた。私にとって一番大切なのは、自分の実力を証明すること。明日2分失っても2分稼いでも、それは一番大切なことじゃない。一番大切なのは、明日は崩れずに一貫性を保ち、運命がなにをもたらすかを見ること。一日一日を大切にしている」(スケルモース)
翌日の第20ステージは今大会のクイーンステージとして厳しい戦いが予想される。さらにその翌日にはタイム差がつきやすい個人タイムトライアルが設定されている。大会最多タイの4勝目が見えたログリッチだが、この日の独走によりどれだけ疲労が蓄積されたのかは定かではない。上りと大会終盤に強いカラパスが一発逆転の大逃げを狙ってくる可能性もある。総合9位ミケル・ランダ(ティーレックス・クイックステップ)はそのままで終わっていいのか? そして大会期間の3分の2で主役を張ったオコーナーが意地を見せて表彰台を確保するか? いよいよ大一番の2日間となる。 文・山口和幸
山口 和幸
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