【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第19ステージ】ログリッチが独走勝利でマイヨ・ロホ奪還! 3年ぶり4度目の総合優勝に前進
この日のステージは距離173.2kmで獲得標高2550m。過酷なフィニッシュは距離8.6km、平均勾配8.9%、最大勾配16%だ。総合優勝を争うチームがレースをコントロールする動きを見せるのは確実だったが、わずかなステージ優勝のチャンスをねらってアタッカーたちがこの地形を最大限に利用した。エドワルト・プランカールト(アルペシン・ドゥクーニンク)、フラン・ミホリェヴィッチ(バーレーン・ビクトリアス)、フィト・ブラーツ(アンテルマルシェ・ワンティ)が38km地点でアタック。イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ)とシモーネ・ペティッリ(アンテルマルシェ・ワンティ)が追いかけてこれに加わった。
5選手が43km地点で第1集団としてまとまった。エドゥアルド・セプルベダ(ロット・デスティニー)が彼らに加わろうとするが失敗。メイン集団は57km地点で5分17秒遅れ。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエが集団の主導権を握り、ログリッチが2020年に制したゴールを目指しチームの総合力を注ぎ込む。
「計画していたわけじゃない。このステージでアシストは必要ない」とログリッチはスタート前のミーティングで口にしたという。これに対してチームの何人かが「俺たちはお前の言うことなんか聞かない。とにかくエースを引っ張るんだ!」と反論。ログリッチはこれを受けて「みんな同じ考えでいなきゃいけないから、挑戦するしかない」と覚悟を決めたという。
最後の50kmに差し掛かると、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエのアシスト陣がその差を2分に縮めてきた。ブラーツが逃げをあきらめてメイン集団を待つことにした。アルト・デ・モンカルビリョの上り口で逃げ続ける4選手はさらに追い上げられ、その野望は終焉する。
レッドブル・ボーラ・ハンスグローエは上りの最初から猛烈なペースを刻んだ。残り6kmでダニエル・マルティネス、アレクサンドル・ウラソフ、ログリッチがライバル選手との差を広げることに成功。ログリッチは最後の5kmで独走状態となった。1分25秒遅れの総合3位エンリク・マス(モビスター)が追走を開始するが、最後の1kmで総合5位ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)と総合7位マティアス・スケルモース(リドル・トレック)に追いつかれた。
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