保育園、まだ「使用済おむつ持ち帰り」の施設も 親になって実感〝謎ルール〟 理由は曖昧、なぜ今も残る?
「体調管理」と言えば聞こえはいいが
気になったのが同調査のおむつを持ち帰りにする理由で、今もそうしている施設は「子どもの体調管理」が45.1%でもっとも多く、次が「ずっとそうしてきた」の25.7%、「ごみ保管・回収の手配が難しい」20.4%、「予算がつかない」16.8%でした。 体調管理について言えば、夕方に迎えにいって以降、時間の経ったおむつを開いて中身を確認するというのは、普段のゴミ捨ての時、おむつを袋に入れてどんなにきっちり縛っても漏れてくるにおいから想像するだけでもしんどそうです。 それよりは、おむつ替えを担当してくれる保育士さんから、何か異変があったときにフィードバックをもらえる方が合理的でしょう。 現在でも全国で約8%の公立保育園では持ち帰りが続いているということで、その苦労は察するに余りあります。また、利用者側としては同じ認可保育園なら保育料は変わらないわけで、公立と私立でおむつの扱いに差があるのも納得しにくいでしょう。 前述の厚生労働大臣の通知の前には、同会がオンライン署名サイトで1万6000人以上の署名を集め、当時の加藤勝信厚生労働大臣に署名と要望書の提出をしていました。あらためて痛感したのは、自分が親になるまで、ニュースに接していても、その社会課題の重みが、実感を伴ってはいなかったことです。 おむつの持ち帰りは、当事者の先人たちが声を上げて社会課題への取り組みが前進していることを示す、好例だと言えます。