外国人の移住先ランキング、金銭面でベトナムが4年連続首位 総合ランクトップは「幸せ感」でパナマとメキシコ
最新の24年版の指数別に日本の順位を見ると、「生活の質」では6位(首位は3年連続でスペイン)。5つの指数の中で唯一上位入りした。シンガポールと韓国が9位、10位だったが、このアジア3カ国の共通点は治安の良さと交通機関全般に対する満足度だったという。 「働きやすさ」ではデンマークが首位で、日本は45位。仕事優先というかつての社会通念はすでにかなり変化したと感じるが、それでもワークカルチャー指数では48位と、非常に評価が低かった。 また、「定住しやすさ(現地への落ち着きやすさ)」指数ではコスタリカがトップで、日本は35位。アジアではフィリピン、インドネシア、タイと、東南アジア3カ国がトップ10入りしたが、日本に対する評価は思わしくなく、サブインデックスの文化・歓迎度で40位、人々のフレンドリーさで29位、友達の見つけやすさで39位。性格的な問題という以前に、言葉の壁が大きいのかもしれない。 実際、「外国人在住者の必須要素」指数を見ると、この問題は顕著だ。日本は同指数で45位にとどまったが、中でも言語面での評価がハンガリーとチェコに続く下から3番目。「必須要素」指数の首位はUAEで、最下位はドイツだが、ドイツや中国、フランスも「言葉の壁」が足かせになったという。日本はまた、デジタル度に関するサブインデックスで39位にとどまり、タイやマレーシアより下位だった。 日本は旅行先としての人気が高く、インバンドは右肩上がり。2024年5月に世界経済フォーラム(WEF)が発表した2024年版「旅行・観光開発ランキング」では米国、スペインに続く3位だった。旅行者と在住者による評価にかなりのギャップがあるように思えるが、この差が今後縮小していくのか興味深い。厚生労働省によると、2023年10月末時点の外国人労働者数は前年比12%増の約205万人。200万の大台を突破し、届出が義務化された2007年以降で過去最高を記録したという。
文:奥瀬なおみ/ 編集:岡徳之(Livit)