外国人の移住先ランキング、金銭面でベトナムが4年連続首位 総合ランクトップは「幸せ感」でパナマとメキシコ
リッチに住むならベトナム、物価が安く外国人は高所得
『Expat Insider』の「個人ファイナンス」指数でトップを持するベトナムの強みは、物価の安さと外国人の高所得にある。現地在住者の86%が生活費に関して「満足」と回答し、この割合は世界平均の40%の2倍以上に達した。住居に関する満足度ではタイがトップだったが、ベトナムは2位。住居探しが簡単で、しかも安く借りられる。 快適な生活を送るために十分な所得があるとの答えも、ベトナムでは68%(世界平均41%)。外国人の給与は実際に高く、「年収15万米ドル(約2,360万円)以上」との回答が全体の19%を占めたという(世界平均は10%)。 ちなみに、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によれば、ベトナムの1人当たり月間平均所得は2022年時点で660万ドン、年換算では79,20万ドン(現在の為替レート換算で年間約49万円=約3,130米ドル)。15万米ドルのたとえ半額でも、現地では破格の給与水準であり、「財布に優しい」ランキングでトップとなるのは当然かもしれない。
外国人とベトナム人との所得格差はなぜ大きいのか。その理由として、「VNEXPRESS」などのメディアは、多国籍企業の駐在員の高賃金やハイテク・金融・経営など専門職の多くを外国人が担うこと、住宅手当や子供の教育手当など各種手当を上乗せするケースが多いこと、さらに同じ仕事をしていても外国人と現地市民の給与額が異なるという状況が一部に残るなどの点を指摘している。 また、仕事に対する捉え方という点では、ベトナム社会はキャリアアップより、ワークライフバランス優先。ワークカルチャーに関する満足度では今回3位と、前年の24位からジャンプアップした。フルタイムで働いている在住者は46%(世界平均57%)。約5人に1人が「パートタイム」と回答したという。 実際には、「個人ファイナンス」指数以外では、ベトナムの順位はさほど高くなく、「生活の質」では53カ国中40位。デジタルライフや住居、言語など「外国人在住者の必須要素」指数では29位。それでもリッチに暮らせるというアドバンテージにより、ベトナムは「住むのに最高な国」を示す総合ランキングにおいても、8位にランクインしている。