井上尚弥、サウジと推定30億円スポンサー契約 現地で試合実現すればファイトマネー15億円超も
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が、サウジアラビア国営の国際娯楽イベント「リヤド・シーズン」とスポンサー契約を結んだことが4日、発表された。12月24日の防衛戦(東京・有明アリーナ)からトランクスにロゴを入れる。総額30億円(推定)の〝生涯契約〟で、井上は来年にサウジアラビアで試合を行うことにも前向きな姿勢を示した。 【写真】プライベートジェットでサウジアラビアに向かう井上尚弥 超大型契約が電撃的に結ばれた。井上は現地時間2日深夜に、先方が用意したプライベートジェットでサウジアラビア・リヤド入り。4日午前2時30分(日本時間午前8時30分)から、同国の総合娯楽庁長官、トゥルキ・アルシェイク氏のオフィスで調印式に出席した。契約書に漢字で「井上尚弥」とサインし、笑顔で同氏とがっちり握手を交わした。 「キャリア後半にさしかかってくる中で、モチベーションとなる契約ができた。限られた選手しかたどり着けない場所だと思っている」と井上はコメントした。気持ちが高まるのも無理はない。「リヤド・シーズン」はサウジアラビア政府が主催するエンターテインメントの一大イベント。トゥルキ氏は大のボクシングファンで、これまでは主に中量級以上の選手にオファーをしてきたが「井上のスタイルが大好きだ」と、軽量級代表として井上にラブコールを送り続けてきた。 契約金は推定30億円。ビッグオファーを提示した同氏は「来年、サウジアラビアでビッグファイトをすること」を期待した。井上は12月24日に有明アリーナで、4団体王座防衛戦としてIBF、WBO1位のサム・グッドマン(26)=オーストラリア=の挑戦を受ける。来年4月には米ラスベガスでの試合も計画されている中、井上は「来年どうなるかは分からないが、タイミングが合えばサウジアラビアに来て試合をしたい」と、「リヤド・シーズン」の興行に参戦することにも前向きな姿勢を示した。 実現すれば、世界戦が複数行われる超ビッグイベントにメインイベンター級の扱いで名を連ねる可能性が高い。ファイトマネーは1000万ドル(約15億2000万円)超も見えてくる。井上は今回の契約で、今後出場する全ての公式戦で「リヤド・シーズン」のロゴをトランクスのベルトラインに掲げることが決定。現役期間中の〝生涯契約〟とみられる。 史上初の2階級での4団体統一を果たしたテレンス・クロフォード(米国)、前WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(英国)らに続く大型契約。井上はボクシング界、そして日本の顔として、2025年に外交関係樹立70周年を迎える日本とサウジアラビアの架け橋にもなる。(尾﨑陽介)