「大接戦」の予想がなぜ“早期決着”に?トランプ大統領が返り咲き 世界経済や日本への影響は?【news23】
■前回との違い?“今のアメリカ”が鮮明に 「分断がトランプ氏を生んだ」 小川キャスター: 8年前は大統領としてまったく未知数な状況で勝利したわけです。当時、取材した際、選挙参謀の方は「選挙に勝つことが目的で、『あとは野となれ山となれ』ではないか」と言っていました。 今回は大統領だったトランプ氏を国民たちがわかったうえでの勝利となるわけで、8年前とは状況が違います。この意味合いをどうみていますか。 佐藤翔太 TBS経済部デスク: 前回は泡沫候補からのスタートで、急進的でエリート的なオバマ政権を引き継ごうとするクリントン氏への嫌悪感や怒りをベースにし、格差や移民、中国を絡めて支持を拡大していきました。 しかし、今回は少し違うと思います。選挙前、ある民主党の幹部にお話を聞いたところ、「トランプ氏が分断を招いたのではなく、分断がトランプ氏を生んだ」と言っていたのが非常に印象的でした。 自分の利益を確保するためならば、乱暴な言動で混乱を招くリーダーであったとしてもよしとするという、今のアメリカの一側面が改めて鮮明になったと思います。 日本や日本企業は、それを踏まえてどういう距離感で付き合っていくのか、考えていくのかを改めて問われているように思います。 渡辺靖 慶應大学教授: トランプ氏の2期目は、自分が本当に信頼できる、裏切らないと忠誠を誓う人で周りを固めると思います。そして今回、上院も共和党が取っているので、トランプ氏が好きな人をどんどん任命していけるということです。 今後の鍵は下院がどうなるかです。下院まで共和党が多数派になると、トランプ氏をストップするものは何もなくなりますが、逆にねじれると、大統領といえども好き勝手にはできなくなると思います。 小川キャスター: 政策に対しての思いや実行しようとする意志は強くなっているということですね。 渡辺靖 慶應大学教授: 「前回、邪魔されたので、今回は復讐してやろう」という気持ちは強いと思います。