「大接戦」の予想がなぜ“早期決着”に?トランプ大統領が返り咲き 世界経済や日本への影響は?【news23】
藤森キャスター: トランプ氏は散々、バイデン・ハリス政権の物価高について批判を強めていました。こういった関税政策や税金の引き下げは、物価高を招くことになるのではないかと専門家が指摘しています。 佐藤翔太 TBS経済部デスク: 関税について前回は、中国や、競争力が比較的ある日本を含めた国を狙っていました。しかし今回、トランプ氏は幅広く関税をかけると言っており、そうすると物の値段が上がってくる可能性が高いです。 また、減税すると景気がよくなり、景気がよくなると金回りがよくなり、物の値段が上がる可能性があります。散々インフレを批判していた割に、インフレを呼び起こすような政策をするというところで辻褄が合っていないのですが、この矛盾についてはトランプ氏らしいというか、説明はされていません。 藤森キャスター: 日本への経済の影響は、どうなるのでしょうか。 佐藤翔太 TBS経済部デスク: 6日の昼過ぎごろからトランプ氏が優勢だということが意識され、日本も株高になり、円も154円台半ばに。NYダウも4万2000ドル前半ぐらいまで上がっています。 当面はトランプ氏が掲げる規制緩和などに対する期待感で、株価は分野別ですが上がるところも多いと思います。為替はドル高・円安が基調になってくるのではないかとみています。 ■「当選すれば24時間以内にウクライナでの戦争を終わらせる」政策どう実現? 藤森キャスター: トランプ氏の他の移民や外交政策もみていきます。 【トランプ氏の主要な政策】 <移民政策> ●史上最大の強制送還 ●就任初日にメキシコ国境封鎖 <外交> 当選すれば24時間以内にウクライナでの戦争を終わらせる 本当に実行しようとしているのでしょうか。 樫元照幸 ワシントン支局長: 前回の政権ではトランプ氏に対し、ブレーキ役を務めようとした人がいましたが、今回は側近をイエスマンで固めるだろうとみられています。 まさに大衆、庶民の支持を得て大統領になったポピュリストのトランプ氏としては、さまざまな政策を実現していこうとするでしょう。ワシントンの常識では進められないようなものでも、そういう案件だからこそ前に進めようとすることがあるかもしれません。 私が注目したいのは外交分野で、「ロシアのウクライナ侵攻をあっという間に片付ける」ということを言っていますが、実際どのように動こうとするのか。ウクライナにとって、和平ではなく、敗北という形にならないか、注視していかなければいけません。 中東問題についても、イランと向き合うなかで、トランプ氏の持論である“強さの外交”、場合によっては“脅しの外交”が垣間見えてくる部分があると思います。 一方で、中東では「アブラハム合意」という、アラブ首長国連邦とイスラエルの国交を実現した自負もあります。中東の衝突は拡大する一方ですが、この流れを変える可能性もあります。 アメリカと中国、アメリカとロシアの関係も変化していくでしょうし、北朝鮮との外交を再び動かそうとするかもしれません。 そのなかで日本とどのような関係を作っていくのか、どのような連携をしていくのかというのもポイントになってくると思います。