名門復活へ、明大ラグビー部がとっぱらった体育会系体質
昨季は対抗戦を5位を終え、大学選手権の4強入りも逃した。丹羽監督は、「去年はここではこう、と、やることを決めていたところがあった。今年は少しずつ選手に判断をさせる部分を持たせた」。 結果、今季のチームは春先から好調を維持してきた。前年度中位陣と5試合を戦う関東大学春季大会グループBでは全勝優勝。多様な学年の選手が入り混じるバックスラインが、鋭い仕掛けを重ねていた。 勝木主将は甲高い声を張る。 「いまは下級生と上級生がどんどんコミュニケーションを取っていて、練習中は下級生からのリクエストもある。1、2年の時は言いたいことが言えないという状況が、僕の中ではあった。そこでも伸び伸びやらないとダメなんですけど、僕はそこで伸び伸びできなかった。少しでも改善したいと思っていました」 閃きのある3年生のスタンドオフ田村煕の後ろから、尾又、水野らが飛び出す。期待の梶村にも出番がありそう。かように後輩のバックス陣が頑張るなかでも、フォワードの勝木主将はこうも語っていた。 「やっぱりメイジは強いフォワード。近代ラグビーのなかでも、メイジはやっぱりフォワードが負けてはならない」 さらに続けた。悪しき風習が去っても残る言葉、「前へ」の定義について。 「立ち止まる時はあるけど、最終的には前に進んでいかないといけない。ラグビー面でも人生面でも…。そういうものだと思っています」 明大ラグビー部は、言葉の本当の意味でポジティブな集団となりつつある。11月2日、東京は秩父宮ラグビー場で昨季3位の慶大を迎え撃つ。 (文責・向井風見也/ラグビーライター)