【選手権】高川学園が前回王者の青森山田を撃破!必殺"トルメンタ"で先制し2-1で競り勝つ
12月31日、第103回全国高校サッカー選手権大会2回戦が関東の各会場で行われ、NACK5スタジアム大宮の第1試合では高川学園(山口)が2-1で青森山田(青森)を破って3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】2回戦第1試合風景 インターハイでベスト8、プレミアリーグEASTは8位と、今年は勝ち切れない印象の強かった青森山田。昨年の主力が少なく、ケガ人も出たことでシーズン序盤は苦しんだが、DF5小沼蒼珠主将(3年)を中心に立て直し、この選手権に向けてしっかり仕上げてきた。連覇を目指す前回王者が遂に選手権初戦を迎えた。 対して、インターハイは初戦敗退と悔しい結果に終わった高川学園。それでもプリンスリーグ中国で2位に入り、初めてのプレミアプレーオフに出場を果たした。そのPOでは1回戦で惜しくも敗れたものの、夏の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)王者のガンバ大阪ユースを相手に大健闘。強度の高い守備と運動量で相手を苦しめ、一時は同点に追い付くなど、あと一歩のところまで追いつめた。試合後には江本孝監督が青森山田戦に向け「何かを起こしてやろうと思っています」と話したように、今大会に向け選手たちも自信を付けた。 第100回大会では「トルメンタ」で旋風を巻き起こし、4強入りを果たした高川学園。しかしその大会で敗れた相手が青森山田。準決勝で0-6という大敗を喫した相手はMF松木玖生(ギョズテペSK)、MF宇野禅斗(清水)の超高校級の強烈なダブルボランチに、その他のポジションにも錚々たるメンバーを擁し、歴代最強とも呼ばれる相手に一矢報いることも出来ず、完敗を喫した。 しかしこの試合は3年前とは全く別の展開。試合開始から間合いを詰めた球際の守備で青森山田から自由を奪った高川学園が自分たちのペースで試合を進めた。前線でFW10大森風牙(2年)がボールを収め攻撃の起点になった。 9分にはゴールから約20mの距離からMF6松木汰駈斗(3年)が直接FKを狙うと、19分には右サイドのFKがファーサイドに流れたところからDF5吉岡翼(3年)のクロス。これにDF2柿本陽佑(3年)が左ボレーで合わせた。その後もFW9田坂大知(3年)がスピードを生かしゴールに迫った。 劣勢の青森山田も28分にこの試合1本目のCKを獲得。ショートコーナーからのクロスにニアで合わせた小沼がヘディングシュート。なかなかチャンスを作れない青森山田だったが、それでも無失点で切り抜け前半を終えた。 後半立ち上がりにポスト直撃のピンチを凌いだ高川学園は47分、この日最初のCKを獲得すると満を持してトルメンタを発動。しかし、これを囮にニアサイドに下でパスを繋ぐと、柿本が左足でシュート。これは左ポストを叩いたが、折り返しを大森が頭で押し込みゴールネットを揺らした。 試合も終盤に入り、ボールを持てる時間も増えた青森山田だったが、相手ゴールをこじ開けることが出来ない。そんな中、高川学園は俊足のMF27行友祐翔(3年)を投入。するとその行友が左サイドを単騎で突破。ボックスに侵入したところで倒されPKを獲得した。この大事なPKを大森が冷静に沈め、リードを2点に広げた。 これで追い込まれた青森山田も76分、ボックス左をMF7川口遼己(3年)が縦にドリブル突破し中へ。FW9石川大也(3年)がスルーした後ろでフリーになったMF26麓萊凜(2年)がダイレクトでゴール右にシュートを突き刺した。 1点差に詰め寄られた高川学園だったが、同点ゴールは許さず。前回王者を見事に破り初戦を突破した。 (文・写真=会田健司)