ビクトリア州を代表するワイン産地、ヤラ・バレーの美味しいワインと食を味わいに。
オーストラリア南東部のビクトリア州。その州都であるメルボルンは、イギリスの政治経済誌〈エコノミスト〉の『世界で最も住みやすい都市』ランキングで7回も1位に選ばれている街です。ヨーロッパを思わせる美しい街並みの中には、数多くのカフェやレストランが立ち並び、オーストラリアでも屈指のおいしい街としても有名。そんなメルボルンの魅力的な美食の数々をご紹介します。
メルボルンから車で約45分。ヤラ山脈の谷間にあるヤラ・バレーはオーストラリアの主要なワイン産地のひとつで、6000エーカー以上の土地に約70のワイナリーが存在します。メルボルンから日帰りでも楽しめる、ヤラ・バレーに精通したツアーに参加して、ワインテイスティングやワイナリーレストランの美味を体験しましょう!
世界的にも珍しい「食用の森」で、持続可能な有機農産物育成を学ぶ。
ワイナリーの前に訪れたのは、〈The Edible forest(エディブルフォレスト)〉。“食べられる森”“食用の森”の名前の通り、有機無農薬で育てられている植物はすべて食べられるという稀有な森です。120エーカーという広大な土地でウエディング&イベント施設を運営するヤラ・バレーエステートの中にあり、外の環境に影響が出ないようにするのと同時に、鳥や動物、育成計画外の植物が侵入するのを防ぐため全体がネットで覆われています。 「お客様の食事に使う季節の野菜を育てたいと思い、畑を始めたのがスタートです。キッチンのすぐ横にあるためフードマイレージがかからないこの畑は、ヤラ・バレーエステートの持続可能性の理念と完全に一致しました。小さな畑では需要に追いつかなくなったので、土壌改良を重ねてどんどん面積を広げ、今では1エーカーの森になっています」と語るのは、ヤラ・バレーエステートのオーナーで〈The Edible forest〉のディレクターのルイーズ・ウォードさん。現在は、野菜、ハーブ、野草、薬草、果実など350種類以上を自然栽培しています。 〈The Edible forest〉には、お茶、湿地、ブッシュタッカー(先住民族アボリジナルに伝統的に利用されてきた同国原産の動植物のこと)、食用の花、温帯雨林、ベリーの森林の6つの特別に設計されたエリアがあります。収穫されたものはレストランのキッチンへ。獲れ過ぎたものはジャムやピクルスに、薬草やハーブはお茶にして販売もしています。一見無造作のようでいて、そこに植えられている理由がある植物たち。ルイーズさんの解説を聞きながら森を歩けば、パーマカルチャー(パーマネント=永続性、アグリカルチャー=農業、カルチャー=文化を組み合わせた造語)を提唱し、永続可能な農業を追求する彼女の熱い思いが伝わってきます。