【選手権】東福岡、8年ぶりの準々決勝進出 初戦6発の阪南大高を完封
第103回全国高校サッカー選手権大会第4日は1月2日、首都圏4会場で3回戦8試合が行われ、浦和駒場スタジアムでの第1試合は東福岡(福岡)が阪南大高(大阪)を1-0で下し、1月4日の準々決勝(14時10分・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)で静岡学園(静岡)と対戦することになった。 【フォトギャラリー】東福岡 vs 阪南大高 東福岡は1、2回戦とも無失点で接戦を勝ち抜いてきた。この2試合は相手の堅陣を切り崩してからの決定的なシュートが少なかったが、一転してこの日は多くの得点チャンスをつくった。 特に前半は左2列目のMF神渡寿一(3年)が、スピード豊かなドリブルで何度も左サイドを突破。好クロスから見せ場をつくった。 決勝点となる先制ゴールも神渡の見事な推進力から生まれる。前半8分、左から中央へ運び、2人に囲まれながらも前進。最終パスを預かった1トップの伊波樹生(3年)が右足でゴール左に蹴り込んだ。 神渡は11分に自ら持ち込んで惜しいシュートを放ち、13分にも右2列目の稗田幹男(3年)に絶妙なサイドチェンジのパスを送った。17分には左からシュート性の鋭いクロスを配給。後半は28分に左からの出色のクロスで、MF西田煌(2年)に決定的なヘディングシュートを打たせた。34分には左から軽やかなドリブルで長い距離を運び、GKが弾く強シュートを打って存在感の大きさを示した。 平岡道浩監督は「前半からいいクロスを上げてくれた。今日はどれだけサイドを突破し、相手のサイド攻撃を抑えるかがカギを握ると選手に伝えました」と話し、神渡の積極的な仕掛けを褒めた。 とにかく東福岡はよく攻めた。主導権を握り続けたことで、守備が崩される危ないシーンは1度もなかった。初戦の2回戦で新潟明訓(新潟)を6-0と圧倒した阪南大高に1本のシュートも許さなかった。 左MFで先発した硲冬真(3年)が前半19分から最前線にポジションを代えても、大坪聖央と山禄涼平(ともに3年)の両CBががっちり抑え込んで仕事をさせなかった。 得点こそ前半の1点に終わったが、この3試合で最多となる11本のシュートを打った。平岡監督は「今日は珍しく立ち上がりが良かった」と切り出すと、「守備ではGKとCBがうまく対応してくれましたし、佐藤のプレースバックもかなり効いていた。だから相手はセンター攻撃ができなかったんだと思います」とアンカー佐藤宏耀(3年)のプレーぶりを高く評価し、攻守が一体となった勝利であることを強調した。 決勝点を挙げた殊勲の伊波は「この2試合は悔しくて仕方なかった。今日も課題が残りましたが、ようやく決められてホッとしています。(準決勝、決勝が行われる)国立競技場まで勝ち進みたい」と意気込みを示した。 (文=河野正 写真=矢島公彦)