大手の独壇場に風穴をあけたLCCジップエア、国際線利用で浮かび上がった「注意点」は? 成田―ホノルル線をANAと比較した 『鉄道なにコレ!?』【番外編】
▽判定は「大満足」も… LCCは基本的な運賃に付いてくるサービスが少ないだけに「サービスが悪いのではないか」といぶかしがる声を聞いたのだが、ジップエアの地上職員と客室乗務員は航空大手に引けを取らないほど対応が良かった。私が乗った便は定時で運航したので「大満足」の判定だ。 もっとも、「安心して利用できる」という点ではANAが勝った。なぜなら、ジップエアは利用者が自己都合でキャンセルする場合、大半の路線で「払い戻しはできません」と明記している。不安がある予約客向けには「旅のキャンセル保険」を追加料金で販売している。 ANAは手数料がかかるものの、原則としてキャンセルに応じる。 もっとも、ジップエアが航空大手のほぼ独壇場だった中・長距離国際線に参入し、割安な航空券料金を提供することで消費者の選択肢を増やした功績は大きい。10代の利用者は「ジップエアの就航で、行きたい海外の都市が広がった」と話す。 しかし、安さと引き替えに基本運賃で受けられるサービスが限られる点には留意が必要だ。運賃とサービス内容を含めててんびんにかけ、自分に合った「空の旅」を楽しむことが良さそうだ。
※『鉄道なにコレ!?』とは:鉄道に乗ることや旅行が好きで「鉄旅オブザイヤー」の審査員も務める筆者が、鉄道に関して「なにコレ!?」と驚いた体験や、意外に思われそうな話題をご紹介する連載。2019年8月に始まり、ほぼ月に1回お届けしています。鉄道以外の乗り物の話題を取り上げた「番外編」も。ぜひご愛読ください!