大手の独壇場に風穴をあけたLCCジップエア、国際線利用で浮かび上がった「注意点」は? 成田―ホノルル線をANAと比較した 『鉄道なにコレ!?』【番外編】
2025年度には同型の新造機を2機追加し、計10機にする計画だ。 ▽安いものには理由がある 成田とホノルルを結ぶ路線のエコノミー運賃を比較すると、ジップエアは片道最低3万円(旅客サービス施設使用料などを除く)だ。ANAは同じ路線をエアバスの総2階建て大型旅客機A380で運航しており、運賃は往復で最低9万7千円。単純計算すると片道最低4万8500円なので、ジップエアの方が割安だ。 しかし、安いものには理由がある。ANAの場合は出発後の機内食と到着前の軽食が提供され、飲み物も振る舞われる。しかもエコノミーでもワインやビールも無料で注文できた。 これに対し、ジップエアはミネラルウオーター付きの機内食が有料だ。牛丼やカレーなどから選ぶことができ、悪くない味付けだった。他の飲料も有料で、驚いたことに何も入っていない透明なカップさえも10円で売っていた。 ジップエアは、旅行に持参する荷物でも制約を受ける。機内に持ち込める2個の手荷物は計7キロまでと、ANAの計10キロを下回るのだ。
預け入れ荷物でもジップエアは別途料金がかかる。一方、ANAは重量23キロ以内の規定を満たした荷物ならば、2個まで無料で預かってくれる。 ▽座席指定にも追加料金 ANAなどの航空大手では当たり前のように事前に選べる座席指定も、ジップエアは通常ならば追加料金がかかる。もしも座席指定をしていない場合は搭乗前に空席を割り当てられ、同行者がいた場合は離れ離れになる可能性がある。 私が購入した「バリュー」という商品は、座席指定と機内食、重量30キロまでの預け入れ荷物をセットで販売している。成田―ホノルル間の場合、運賃とは別に9千円の追加料金がかかる。 他方、ジップエアは航空大手が燃料価格に応じて別途徴収する燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を設けていない。ANAは今年8月1日~11月30日購入分の成田―ホノルル線に片道2万2500円の燃油サーチャージを設定している。 ジップエアも、夏休みや年末年始などの多客期には運賃を高くしているのは航空大手と変わらない。それでも燃油サーチャージが別途かからないことには「分かりやすく、透明性がある運賃体系だ」との評価を聞く。