東急の「自動運転バス実証実験」に京急バスも参加、成果と課題が見えてきた
虹ヶ丘・すすき野エリア:3回目の実証実験で「交通信号受信」を試す
第3回目のコースは「虹ヶ丘・すすき野エリア」の2回目と同じだ。車両も前回と同じタジマモーターコーポレーションの多目的小型電動モビリティ「TAJIMA-NAO-8J」が採用された。衝突安全試験を免除されているため、最高時速は20キロメートル未満に制限されている。この車体は名古屋大学の保有車で、車体に東急バスのマスコットキャラクター「ノッテちゃん」が描かれている。前回まで「虹ヶ丘・すすき野エリア」で使った車両は、京急バスの「能見台エリア」で使用しているとのこと。 虹が丘営業所内の所定の位置から、運転者が確認ボタンを押して発車する。営業所内から自動運転が始まった。しかし歩道を横断して道路に出るためいったん停止。運転者が確認ボタンを押して走行開始となった。 コースは同じだけど、実験内容はアップデートされている。その1つが「信号連動」だ。コース上にある4カ所の交差点で、信号機の切り替わりタイミングをEVバスに伝えて制御する。前回までは交差点では無条件でいったん停止し、運転士の確認動作を必要としていた。今回は信号の切り替わりタイミングを把握できるため、青信号であればそのまま進行する。 「信号連動」システムは、交通信号機に設定された切り替え動作情報の提供を受けて、自動運転バスとリアルタイム通信するセンターサーバに登録しておく。自動運転バスが信号機に接近すると、サーバから信号切り替えタイミングが通知される。 信号機の色を画像認識する方法も技術的には可能だ。しかし太陽光線の影響で色を正しく認識できない恐れがあるため通信方式を採用した。青信号に向かって進行していても、バスは赤信号に切り替わるタイミングを知っているため減速する。バスが交差点に到達すると同時に信号が赤になり停車した。 青信号になると発車するけれども、交差する道路に進入する場合は必ず停止し、運転士の確認動作によって動き出す。右折、左折した直後に横断者が居る場合は障害物として認識して停止。こちらも確認動作で再スタートする。ただし障害物検知センサーの範囲外から近づく横断者を判断できないため、いまのところは運転者の確認動作を伴う。 路上駐車を回避する機能を搭載しているけれども、道幅が十分ではない場合のほか、速度が低いので対向車両や後続車両とのタイミングが合わないため、いまのところは手動運転で対応しているとのこと。