「日本人じゃない」と突きつけられた過去――水原希子、自分らしさとの葛藤の先に
SNSでの心ないコメントに対して水原は、距離をとったり、無視をしたりして、受け流すようにしている。攻撃されたり、傷つけられたりしても、発信することはやめない。 水原:「SNSをやめようかなと思ったりもしたのね。でも、『希子ちゃんを見ていると頑張れます』とか『多様性が大事だってメッセージをありがとう』とか、私が発信することで、たくさんの人の背中を押すことができているんだって気づいたから」 西村:「私も、お坊さんがメークとかオシャレとか、ハイヒールとか、頭おかしいんじゃない? って言う人もいると思うのね。だけど、私のことを大切にしてくれているな、心が通い合っているな、と感じる人が褒めてくれるんだったらいいやって。正解がないじゃない? お坊さんがハイヒールを履いていいのか、いけないのか、なんて。だから、この人が褒めてくれるから履こうって自分でも納得できる。応援してくれている人は、お守りというか、方位磁石のように自分を導いてくれる存在だなと思います」 水原:「SNSとかで、ああだこうだ言ってくる人って、私のことを知らないから言ってくるんだと思う。だから、自分のことをしっかり見てくれている人が、自分に対して『違うよ』『こうしなきゃいけないよ』って言ってくれたことを聞くようにしようと思う。やっぱり自分を好きでいてくれる人を信じて、その人たちの言葉に応えていきたいと思うから」 西村「みんなが、自分だけじゃなくて周りの人を大切にすることが、自分も幸せになる鍵だってことに、気づいてほしいと思います」 衣装協力:TOMO KOIZUMI 、Yan Yan、UPALA、YUEQI QI、TARO HORIUCHI、O THONGTHAI 水原希子(みずはら・きこ) 1990年、米国生まれ。ファッションモデル、女優として活動中。 西村宏堂(にしむら・こうどう) 1989年、東京都生まれ。僧侶、およびメークアップアーティストとして活動中。実家は浄土宗の寺院。近著に『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』(サンマーク出版)。 【RED Chair+】 2人の本音に迫る『RED Chair+』。家族、戦友、ライバル、師弟など、この関係だからこそ語れる思いを届けます。