プリミティブな面白さ健在! ドゥカティ「スクランブラー ICON」試乗インプレッション
低速のUターンなどは250ccクラスに近い気軽さ。確かにセロー250ほどの小回りはできないが、大型バイクでこれだけ不安なくターンできるのは特筆ものと言っていいだろう。 ……と、そんな感じで走りを楽しんでいたので走行中にきちんと見ることはなかったが、TFTディスプレイのメーターはタコメーターやスピードメーター、セッティングメニューなどがシンプルに見やすく並んでいる。金属調のリムをあえて取り付けているのも洒落ている。 街乗りやショートツーリングに最適な1台だと思うが、スポーティな走りも面白いのはやっぱりドゥカティならでは。さらにワイルドな仕様の『フルスロットル』、ワイヤースポークホイールやバーエンドミラーで洗練されたスタイルの『ナイトシフト』(いずれも149万9000円)が選べるのも嬉しい。
DUCATI SCRAMBLER ICON[2024 model]
主要諸元■全長/全幅/全高─ 軸距1449 シート高795(各mm) 車重185kg(装備)■空冷4ストロークL型2気筒SOHC2バルブ 803cc 73ps/8250rpm 6.7g-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.5L■タイヤサイズF=110/80R17 R=180/55R17 ●価格:129万9000円 ●色:黄、黒、赤 ──1960~1970年代の、バイクのカテゴリーがまだ細分化されていなかった頃の雰囲気を現代に再現。走りの自由度の高さも同様にジャンルレスだ。 ──オンロードバイクをベースにオフロード志向に仕立てる、というのがカテゴリーとしての“スクランブラー”の出自。ちょうどいい塩梅で、何にでも使いたくなるたたずまいだ。 ──単気筒並みにスリムなLツインエンジンとあって、前後から見ても車体はスリムそのもの。とても803ccのエンジンを搭載しているとは思えない。灯火類はフルLEDで、ヘッドライトには特徴的なX字の加飾があり、DRLも備えている。 ──4.3インチフルカラーTFTディスプレイ。電子制御スロットルを採用しており、ライディングモード、パワーモード、トラクションコントロールなどがセッティング可能だ。双方向クイックシフターはオプション装着可能。 ──容量13.5Lの燃料タンク。カラフルなタンクカバーは標準カラー×3色に加え、6色のカバーキットが容易されている。 ──初代に比べてフラット感が増し、快適性が向上したシート。スリムさは変わらず。バッテン印がカワイイ。 ──803ccのLツインエンジンは長い歴史を経てきた空冷2バルブ。かつてはパフォーマンスを追求した歴史があり、その面影が味として感じられるはず。 ──スイングアームピボットと連結していないスチール製パイプフレームもドゥカティらしさ。クラッチは油圧式レリーズだ。 ──フロントにはKYB製φ41mm倒立フォークとピレリ製MT60RSを採用。ホイールサイズは18インチだ。φ330mmディスクブレーキにラジアルマウントキャリパーを奢り、ボッシュ製コーナリングABSを備える。 ──リヤサスペンションはKYB製プリロード調整機構付きモノショックをリンクレスマウント。リヤホイールは17インチだ。リヤブレーキのディスク系はφ245mmで、シングルピストンキャリパーを組み合わせる。 ●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:真弓悟史 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。