藤井聡太八冠の永世棋聖か、山崎隆之八段の初戴冠か ヒューリック杯棋聖戦6日開幕
藤井聡太棋聖(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将=に、山崎隆之八段(43)が挑戦する将棋のタイトル戦「ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負」(主催・産経新聞社、日本将棋連盟、特別協賛・ヒューリック)が6日、千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で開幕する。5連覇を目指す藤井棋聖は永世称号「永世棋聖」の資格獲得が懸かり、2度目のタイトル戦となる山崎八段は初戴冠を狙う。 【表でみる】「ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負」の日程 藤井棋聖が永世称号の資格を獲得すれば、中原誠十六世名人(76)が持つ23歳11カ月の史上最年少記録を大幅に更新する。佐藤天彦九段(36)との挑戦者決定戦を制した山崎八段は平成21年の王座戦五番勝負以来、15年ぶりの夢舞台だ。 公式戦での成績は1勝1敗。直近は令和3年7月で、藤井棋聖が勝利している。棋界の圧倒的王者・藤井棋聖の5連覇か、独創的な棋風が持ち味の山崎八段の悲願達成か。タイトル戦の舞台で初めて激突する五番勝負の行方が注目される。(田中夕介) 藤井棋聖 豊かな発想力に対応したい 決勝トーナメント(本戦)の山崎八段は序盤から豊かな構想力で、積極的な指し方を貫いた印象。充実ぶりを感じた。 私が(関西)奨励会に所属していた頃、山崎八段が関西奨励会の幹事をされていて、大変お世話になった。厳しさと優しさを併せ持って接していただいた。 一般棋戦での優勝実績が多い山崎八段は、早指しを得意としている印象がある。しかし、最近では長い持ち時間での対局も充実し、それが棋聖戦でも表れたと思う。 山崎八段は序盤から、他の棋士が気づかないような構想を披露することが多く、豊かな発想力に支えられた将棋を指す。 今回の五番勝負は、これまでのタイトル戦と全く違った展開になると思う。序盤から力戦になって、事前の想定よりその場の対応力が問われることになるのではないか。 自分にとっては永世棋聖がかかる大きなシリーズ。良いパフォーマンスが出せたと思えるようなシリーズにしたい。 山崎八段 うまく指して最後まで挑む