「遭難自体を減らす」長野県が取り組む登山者啓発や届け出義務化
万全な装備で「山」を楽しむ
インバウンドの登山者にも来日前に登山のルールや安全対策を知ってもらうために英語、中国語、韓国語のガイドラインを県のホームページに掲載しました。2016年の長野県山岳遭難統計によると、同年の外国人の遭難はフィンランド6人、イギリス4人、韓国3人など15人を数え、このうち韓国の1人が死亡、中国の1人が行方不明になっています。
今年の上高地開山祭に登山姿で訪れた東京のIT関係の会社員(28)=長野県出身=は、「以前はバンドの活動をしていたが、登山をする父の影響で去年から山登りを始めました」。すきのない装備で、途中一泊しながら翌日涸沢へ向かう予定。「固い残雪や新雪もあるのでアイゼンを携行します」。 「靴は標高2000~3000メートルに適したものを履きました」という男性の登山の目的は「ピーク(頂上)狙いではないんですよ。テントを張ってコーヒーを楽しむために山へ行きたい」。経験1年で登山の楽しみ方を覚え、満足そうでした。
------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説