相次ぐ強盗事件の背景に「闇バイト」 どうすれば若者たちが巻き込まれずに済むのか 静岡県警や学校が対策
関東を中心に相次ぐ強盗事件。背景にあるのは「闇バイト」の存在です。どうすれば若者たちが巻き込まれずに済むのか。静岡県警や学校が対策に向け動き出しました。 ●静岡県警 生活安全部 生活安全企画課 増田修次席: 「高額バイト、ホワイト案件、即日即金、らくして稼ぐとのキーワードがあるので、そういったキーワードがある場合は闇バイトである可能性が高いので注意が必要」 犯罪に加担させられるとは知らずに応募してしまうケースもある闇バイト。SNSで見かけることがあるキーワードの数々に高校生たちは・・・ ●高校生:「ついついやっちゃいそう」 ●高校生:「信頼している先輩とかに言われたら断りづらいかな」 8月以降、関東地区を中心に闇バイトに応募した若者が、実行役として住宅に押し入る強盗などの犯罪に加担するケースが相次いでいます。 逮捕された実行犯の男らの犯行動機は・・・ 「SNSで『ホワイト案件』と記載された投稿に応募した 「SNSで即日バイトと検索して応募した」 こうした理由で、犯罪と知らずに闇バイトに応募してしまった少年らに対して、警察庁から異例の呼びかけがありました。 ●Youtube 警察庁 生活安全企画課長: 『警察は相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心してそして勇気を持って今すぐ引き返してください』 この呼びかけ後、10月18日から7日までに警察で保護されたのは46件です。県警によりますとこれまで闇バイトに関する相談はありませんが、県内への波及を見据えて危機感が高まっています。
●和田佳代子記者: 「闇バイトをやっても良いと思うのはどんな時かを想像させ、自分事として捉え、もしそうなったときに助けを求める力を身に着けてもらおうと、こちらの教室では特別な授業が行われます」 授業には16人の生徒が参加しました。 ●つくば開成高校 静岡校 鮫島功キャンパス長: 「世間で闇バイトって言われているが、これはアルバイトではありません。ネットを介して犯罪の実行犯者を募集する。犯罪を実行することによって報酬を得るのがいわゆる闇バイト」 授業で活用されたのは県警と静岡大学教育学部の準教授が共同で開発したワークシート。生徒らはどのような時に闇バイトに手を染めてしまうかを想像し、自分が闇バイトをやってもいいと思う場面などを考えました。 中には荷物を受け取ってほしい、届けてほしいなど頼まれたら、簡単に引き受けてしまいそうな質問も。 ●生徒: 「受け子と出し子、やっちゃいそうだなって危なかった」 授業の5日前、県警は通信制高校と連携を強化し、生徒が犯罪に加担することを防ぐため連絡会を開催。授業を担当した鮫島功先生も参加し、闇バイトの実態や具体的な手口の例について県警から講話を受けました。 毎日学校に通わない自由な時間が多い通信制の生徒は、犯罪の加害被害になる可能性があるため学校の現場から啓発してほしいと警察は強く訴えました。 ●つくば開成高校 静岡校 鮫島功キャンパス長: 「なにかあったら先生に相談してほしい。困っていることはないか生徒が話をしてくれる関わり方が教員の責任として、大事なところかなと思う」 闇バイトの怖さはやめたくてもやめられないことだと強調します。 ●県警本部 人身安全少年課 尾藤厚至課長補佐: 「闇バイトに一回加担すると抜け出せません。個人情報を握られてしまっているので逃げたら脅される。家族に危害加えられるかも。自分や家族に対して脅迫をして。1人で悩まずに警察に相談してください。警察官が全力をあげてあなたや家族を絶対に守ります」 授業を受けた生徒たちは。 ●生徒: 「態度が急変する、脅されるのも怖いなって思った。まずは応募しない。X見て10万とか提示されているのは危険性の方が高いので気を付けたい」 ●生徒: 「ばれなきゃいいかなと思っていたが、やらないようにしようと思う。まず相談。僕あんまり相談しないので相談が大事だなって」