お笑いは人を救う?放送作家が綴ったツッコミ術本が話題に
お笑いは人を救う!?放送作家・村瀬健「最強のコミュニケーション ツッコミ術」(祥伝社新書)が話題に THE PAGE大阪
「お笑いの基礎的な部分を覚えてたら、どんな人間と対峙してもコミュニケーションはとれますわ」と語るのは、放送作家の村瀬健さん(37)。漫才作家の顔を持ち、その経験を生かした「ツッコミ術」をテーマとしたコミュニケーションを題材した本が書籍ランキングの上位にランク入りするなど活躍中だが、どのような人生を歩んできたのか。その横顔に迫ってみた。
法学部卒業後に放送専門学校へ進学
兵庫県尼崎市出身。子どものころから地元出身の大スター、ダウンタウンにあこがれを抱いていた。「『4時ですよ~だ!』『夢で逢えたら』とかテレビ番組が大好きで。いっつも見てましたね」。関西大学法学部に進学していたが、卒業後の進路先は「放送芸術学院専門学校」だった。 「ずっとダウンタウンさんを見てて『いつかはダウンタウンの番組を作りたい』って思いが強まって。そらぁ、親からは『ふざけんな』と大反対を受けましたけどね(笑)」。同校でテレビ制作を専攻し、在学中から様々な番組の現場での手伝いなどをしながら、放送作家の卵として勉強を続けた。 卒業後は「おはよう朝日です」や「ちちんぷいぷい」といった関西の人気番組のリサーチャーや、お笑いの舞台で漫才やイベントなどの現場を見ながら勉強。それと並行して、プライベートで競馬も勉強していたため、週刊誌のコラムを担当するライター業務もこなす「いっちょかみ」ぶりを発揮し続けた。
大阪駅で「整形した人」を探す仕事も経験
リサーチャーとして印象に残る仕事を聞くと「1年がかりでこなした仕事があるんです」と苦笑。その仕事内容は「整形してる人を探してこい」というものだった。 まず病院に電話するも、患者のことなど教えてくれない。そして「こうなったら」と、人が多い大阪駅周辺を歩きまわり、整形してそうな人に「すんません、あのぉ、整形しておられます?」と声をかけたりもした。 「当然、言われた人は『自分なに言うてんの』と言いながらキレておられました。無理もありません」。しかし、めげずに探し声をかけ続け1年後に「はい整形してます」と答えてくれた人を見つけ出した。「うれしいなんてもんじゃなかったですね。こういう仕事があったから今があると思います」 こうして人とふれあうなどしながら仕事をこなし、あることに気づいた。「この仕事に限らずどこでもそうやけど、現場では礼儀がほんまに大事やな」。放送業界は特に礼儀が必要な職場。あいさつ一つでもしなかったら、ぶち切れられるのは必至だ。