「元夫とは離婚後のほうがずっといい関係」20年以上若者や家族を支援する女性の思い「多くの人が『いい母』の呪縛に苦しんでいる」
高橋さん:感情的な言葉をぶつけそうになったときは、一度離れたほうがいいです。ほどよく距離をとることはすごく大事ですよね。暴言暴力になる前に、一度その場から逃げる。私も家を飛び出して、コンビニでお酒を1缶買って飲んで、ひと息つきます。そうすると、「余計なことを言わなくてよかった」と思えるんです。 親としてお子さんに言いたいことはあるとは思います。ただ、「あなたのために言っている」と伝えたくても、受け取る子どもには「自分のために言ってくれている」と純粋に思えないことも多いんですよね。「そんなこと頼んでない」みたいに(笑)。
── そうですよね(苦笑)。一度相手から離れて、ひと息つくことは大事なんですね。 高橋さん:あとは、何か子育てで失敗をすると、自分を責めてしまう人が多いように感じます。「いい母でいなければ」と頑張っている人ほど悩んでしまうんです。お母さんたちには、十分頑張っている自分をいたわってあげてほしいですね。たとえば、子どもに料理を作ってもらったり、宅配や外食もアリという日をつくったり。お母さんが食べながらお酒を楽しんで、という時間がもっとあってもいいと思います。
■元夫とは「離婚後のほうがずっといい関係」 ── 家族だからこそ、ほどよい距離感を保つことも大事なのでしょうか。 高橋さん:そう思います。また、私は数年前に離婚したのですが、夫婦だったときは、元夫から母親や妻としての役割を求められると反発していました。だから、よくケンカもしていましたね。 でも、離婚して夫婦でなくなってからのほうが、お互い対等で、すごくいい関係だと感じています。夫婦ではなくなったけれど、子どもたちの父親であり、母親であり、大事な家族、仲間です。といっても、今のように心から安心して話せるようになるまで、冷戦時代も経ていますが(笑)、夫を恨みながら家庭内でキーッと怒りを爆発させるよりもいいかなって思うんです。今は、彼には「ありがとう」って心から感謝しています。悩みを聞いたりするときもあり、夫婦時代には考えられない穏やかな関係です(笑)。
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