考察『光る君へ』4話 五節の舞姫を務めるまひろ(吉高由里子)は気づいてしまった…花山天皇(本郷奏多)即位式に歴史ファンはハラハラ
今週の赤染衛門先生
土御門殿姫君サロンで、自分の屋敷に盗賊が入ったことをウキウキと話題にする倫子。ずらりと並んだ果物、お菓子とともに真のお姫さまを感じさせる。 直秀&散楽団の盗賊一味が義賊であることは、まひろの世間話から示唆されるが実際のところどうなのだろうか。 さて、今週の赤染衛門先生の授業だ。 「今日は『竹取物語』についてお話しましょう」 物語について、それぞれの意見を述べる場面。ここで連想されるのは『紫式部日記』で式部自身が書き残した、友人と物語について語り合ったという思い出である。世間的には取るに足らないとされている物語だけれど、それを軸に仲間とやり取りした時間は現実の恥ずかしいこと、つらいことから逃れさせてくれたのだと。今でいえば、漫画や小説、アニメや映画、ドラマについて他の人の感想・批評を聞いたり読んだりする楽しさに似ているのではないだろうか。 そうした経験からか、紫式部は『源氏物語』第17帖「絵合」で、ある遊びについて書いている。宮中で絵を批評することが流行したため、藤壺の女院が女房たちを左右二手に分け、物語絵について論評する会を催された。絵だけでなく物語の内容にも踏み込んで議論白熱し、大変面白いこととなった……と。その中でのお題のひとつが「竹取物語」だ。 平安時代のひとびとに、今を生きる私たちと同じ楽しみがあった。それをドラマ内で表現してくれたことが嬉しい。 そして今週も姫君サロンでやらかすまひろ、しっかりと釘を刺す倫子。怖いけどいい場面だったねえ! 先週と同じく、まひろが暴走した時の姫君たちの表情がそれぞれいい。 「あちゃ~…」顔のしをり(佐々木史帆)、困ったように目を伏せる茅子(渡辺早織)、「この子、なに言うてんの」と眉根を寄せてまひろを見つめる肇子(横田美紀)。 彼女たちも年月が経ったのち、それぞれに「あの時はびっくりしたけど楽しかった」と振り返るのだろう。紫式部と同じように。