立民や共産がマイナ保険証一本化に反対 延期法案提出も「共闘」にはつながらず
現行の健康保険証の発行が2日、停止された。政府・与党がマイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」への移行を進めるのに対し、立憲民主党や共産党などは反対している。立民は現行の保険証の廃止時期を延長する法案を衆院に提出している。ただ、他の野党の賛同は得られておらず、法案成立の見通しは立っていない。 【写真】健康保険証の代わりにマイナンバーカードを利用するための読み取り機 立民の長妻昭代表代行は2日、国会内で記者団の取材に応じ、「残念ながら今日、現行の保険証の新規発行が停止となった。いろんな弊害が大きく出てくると思う。そういう声も聞きながら粘り強く取り組んでいきたい」と主張した。 立民が提出した法案は、現行の保険証の存続と廃止延期を盛り込み、マイナ保険証の利用は選択制とした。医療のデジタル化は進めるものの、国民の不安や疑問の声が強いと訴えている。 共産も機関紙「しんぶん赤旗」などで現行保険証の存続を求めるキャンペーンを展開。11月下旬には小池晃書記局長が国会内で開かれた集会で、「廃止は道理がない。野党が力を合わせ、戦いを広げていきたい」と語り、「野党共闘」を訴えた。集会には立民議員らも参加した。 先の衆院選後、野党は過半数を占めており、野党8党派の賛同を取り付ければ衆院で法案を通過させることができる。 とはいえ、立民が提出した法案が成立するメドは立っていない。国民民主党や日本維新の会は行政のデジタル化などの観点からマイナ保険証への移行に賛成しているためだ。立民の他党への働きかけも目立っておらず、移行に反対する野党議員は「本当は立民も法案を成立させる気がないのではないか」といぶかしむ。(千田恒弥)