増田寛也元総務相が都知事選出馬を正式表明(全文1)3つの不安解消に努める
3つの成長プランも実行したい
そして、こうした3つの不安の解消に努めると同時に、併せて3つの成長プランを実行していく考えであります。1つ目は、2020年に開催をされますオリンピック・パラリンピックの体制整備ということであります。今、このための準備、いろいろな負の要素がありまして、大変遅れてまいりました。招致が決まったときの日本中が喜びと感動に湧いたあの瞬間をもう一度、この祭典で呼び起こしたい。準備を急ぎ、そしてこのオリンピック・パラリンピックを契機に、例えば、東京をユニバーサルデザインの町に変えていくといったさまざまなアイデアを実行してまいります。 2つ目は、観光産業を一大産業にさらに伸ばしていくということであります。昨年、全国から、失礼。全世界から2000万人の観光客がわが国にまいりました。そのうちの約60%、1200万人はこの東京を訪れております。こうした観光客の皆さん方が、東京のみならず、地方と連携をして、そちらのほうにも訪れる、そうしたことになりますと、日本の良さをさらに幅広く体感をし、東京、それから地方全体としてわが国に訪れる海外からのお客さまに、大きな喜びと感動を与えることが可能であるというふうに思います。そして、まだまだこの東京といえども、外国からのお客さまを迎え入れる体勢が十分整っているわけではありません。クレジットカードの利便性の問題等、多々ある問題について、より整備を進めて、この観光産業をより強固なものにしていきたいと思います。 そのほか東京の産業、経済を支えている実はその99%が中小企業であります。このような中小企業をさらに活性化をさせていく、そのためのさまざまなアイデアを実行していきたいと思っております。そこで働く皆さん、そうした人たちのワーク・ライフ・バランス、特に女性の皆さんの働き方の問題、ワーク・ライフ・バランスの確立が急務でございます。こうした働き方の改革を進めて、特に若い世代が誇りと生きがいを持って働けるような東京をつくっていきたい。女性が十二分にその能力を発揮できる、女性活躍の仕組みづくりをしていきたいと思います。 3つ目は、2020年以降についてであります。2020年のオリンピック・パラリンピックは、1つの通過点であると思います。そこでのエネルギーをその後にどのように生かしていくのか。私はその後の大きなグランドデザインを考えながら、東京が首都にふさわしい、そのようなまちづくりに先頭に立って努力をしていきたいと思います。 以上、大きな考え方、当面解消すべき3つの不安、その解消と同時並行に進めるべき3つの成長戦略について申し上げました。東京一極集中について私は、外部からこの問題について厳しい指摘をこれまで行ってまいりました。地方の知事をして、この東京一極集中そしてそれがもたらす人口減少、大変危惧を覚えたものでございます。この東京一極集中によって実は、全国の日本の総人口が極めて急速に減少していく。1.17という合計特殊出生率の、この東京に多くの若者が吸い寄せられてしまう。地方の活力を吸い取り上げるような一極集中について、いろいろな危惧を、指摘をしてまいりました。それは地方に対しての危惧でもあると同時に、東京の中で例えば保育や介護がこれからさらに大変になっていくということにもつながると、このような指摘をしてきたところであります。