“おまじないレベルの医術で本格医療漫画” 型破りなコンセプトのギャグ4コマに爆笑【作者に訊く】
ゴールデンウィークのおでかけの合間や移動中、はたまた家でゆっくり過ごすときにも、スマートフォンやタブレットで読めるWEB漫画はぴったり。ウォーカープラスがGWにおすすめする漫画作品の中から、今回は津夏なつな(@tunatu727)さんの4コマ漫画シリーズ「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」を、作者の津夏なつなさんのコメントとともに紹介したい。 【4コマ漫画】「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」を読む ■「初めて目にした人でも読みやすく」シリーズ4コマならではの難しさ 津夏さんは、X上で「1000本ノック」として日々4コマを発表しているクリエイター。「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」はその取り組みの中で生まれた、天才外科医「黒川」を主人公にしたシリーズ作品だ。 本格医療漫画と聞けば、医師の監修を受けた現代の最新術式やさまざまな難病を取り扱うような作品をイメージするもの。だが同作では、時限爆弾のコードよろしく「心臓に繋がっているのはどっちだ!?」と切るべき血管を迷ったり、オペの経験を積むために街中で「カットモデル」を募集したりと、医療倫理も真っ青なギャグが展開されている。 なかでも第5話では、手術中に時間との戦いに迫られるシリアスな場面が描かれると思いきや、午後5時のチャイムが鳴り響き手術を終了してしまうという、勤務者にとってはホワイトでも患者にはブラックすぎるオチが描かれる。「また…救えなかった…」と常習を匂わせる台詞回しなどツッコミどころが多く、読者から「定時は命より重い」「無慈悲すぎる」とさまざまなコメントとともに、7万件を超える「いいね」を集めた。 津夏さんによると、同シリーズのもともとのアイデアは「おまじないレベルの医術で本格漫画を描く」というもの。ただ、思いついた当時は漫画を描き始めてまもなく、「画力や構成力が全然足りずうまく表現できないもどかしさがありました」とコンセプトどおりの作品が作れなかったという。 その後、前述の「4コマ1000本ノック」をスタートし、作品作りのレベルが向上。「1年経ってあらためて挑戦したところ、驚くほど大きな反響をいただきました。これに味をしめて、シリーズ化として続けていこうと思いました」と、同シリーズが生まれた経緯を振り返る。 普段のアイデア出しでは自分でテーマを設定してその中から考えるスタイルで、なかでも仕事中に思いつくことが多いという津夏さん。本シリーズのようにキャラクターやシチュエーションを共有する作品では「4コマだけですべてを完結させなければならない一発こっきりのネタと比べて、続きもの作品は描く側としてはとても考えやすくて楽ちんではあります(笑)」と話す。 一方、「シリーズ作品や続きものの漫画は新たな読者が付きづらい印象があるため、なるべく初めて目にした人でも読みやすい内容にしなければと意識して考えています」と、SNSで発表する作品としての難しさも教えてくれた。 取材協力：津夏なつな(@tunatu727)
