The Birthday、新作MVに描かれたチバユウスケの“戦友たち” 鉄拳のパラパラ漫画が話題「号泣でした」
The Birthdayが、EP『April』に収録されている楽曲「サイダー」のMVを7月10日に公開。その内容が話題となっている。 【写真】チバユウスケ 55歳で死去……公式コメント全文 EP『April』は、2023年11月26日にチバユウスケ(Vo/Gt)が逝去してから初のリリースであり、ファンにとっては一際思い入れの深い作品だ。そんなEP発売から約3カ月後、「サイダー」のMVは、チバの誕生日である7月10日に届けられた。 本MVを制作したのは、お笑い芸人の鉄拳だ。近年は、パラパラ漫画作家として人気を博しており、イギリスのバンド MUSEのMVも手がけるなど、世界でも評価されている。 「サイダー」のMVは、幼い頃からバイオリンを習っていた少年が、吹奏楽部でバイオリンを希望するもトロンボーン担当となり、モヤモヤした思いを抱えながら暮らしている中、The Birthdayと出会うことで人生が変わっていくというストーリー。 The Birthdayという存在に出会い、その後人生が変わるという経験は、多くのファンに共通する体験だろう。そして、そのキッカケが“CD”であるという点も話題を呼ぶポイントだ。少年はレコード店でThe Birthdayのアルバム『I'M JUST A DOG』のCDを購入し、自宅のコンポにセットして再生ボタンを押す。今ではなかなか見られなくなった光景だが、バンドの背中を追いかけながら大人になっていった世代にとっては、かつての“あの頃”の自分を思い出し、胸が熱くなるシーンに仕上がっている。「幼い頃にバイオリンを習っている」という設定は、同様の経験を持つチバを意識したものとも捉えられる。 The Birthdayと出会った少年は、その後バンドを組み、日夜練習に励んでいく。練習スタジオには、Hi-STANDARD、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、SaToMansionといったバンドのポスターが貼られている。他にも、東京スカパラダイスオーケストラ、MAN WITH A MISSION、BRAHMAN、ELLEGARDEN、AJICO、Dragon Ashのポスターも登場し、日本の音楽シーンをチバ、The Birthdayとともに駆け抜けた“戦友”たちがMVを彩っている。ここで描かれたアーティストたちが世代も音楽性も様々なことが、チバが常に第一線で活躍していたことや人を惹きつける人間性、圧倒的な影響力を改めて思い起こさせる。そして、チバの後ろ姿が空に浮かび、MVはラストを迎える。 MVを手がけた鉄拳は、自身のInstagramにて「もちろん、ハードルはめっちゃ高かったです」と正直な思いを吐露。しかし、迷いながらもチバの献花式へ。「写真のチバさんに聞いてみたりして‥、出た答えが、いつも音楽に助けられて元気ずけられて、勇気を貰って、その音楽にお返しが出来ていない、そして、チバさんの目が『お前がやれ!』と、言っている気がして(勝手ですが笑)」と綴り、その後クハラカズユキ(Dr)のライブへ行き、「一緒にMV作って貰えませんか?」と打ち合わせを提案したところ、フジイケンジ(Gt)とヒライハルキ(Ba)を含むThe Birthdayのメンバーと鉄拳によるMV会議が実現したとのこと。制作期間は3カ月にわたり、約2000枚の絵が使用されているという。 SNSでは「自分が初めてチバユウスケの音楽に触れた時の衝撃と感動を思い出させてもらいました」「色々な想いが溢れてきて号泣でした」「また生きる力湧いてきた」などの声が多数投稿されている。
リアルサウンド編集部