選挙カーでわいせつ行為、パパ活、闇献金、ババア発言、歴代「ヤバい知事」たち
石原慎太郎氏(東京都知事)
作家としてだけでなく、保守政治家としても強烈なカリスマ性を誇っていた石原氏だが、差別的な失言が問題になったことは一度や二度どころではない。2001年、週刊女性でのインタビュー発言は大問題に発展した。 「かつて対談した大学教授の言葉を引用する形で『最もあしきものババア』『女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪です』などと語り、女性たちが激怒しました」 「ババア発言」はその後、裁判にもなった。 「石原氏は小池百合子東京都知事に対しても『年増の厚化粧』と蔑んだ。もともとの人間性もあるでしょうが、権力を盾に言いたい放題でしたね」 たびたび舌禍事故(?)を起こしていた石原氏の暴言は枚挙にいとまがないが、亡くなった今となっては惜しまれる人となった。
横山ノック氏(大阪府知事)
選挙ボランティアの女子大生に「セクハラ」の言葉では生ぬるい、おぞましいわいせつ行為を行っていた横山氏。 活動中、38度の熱と生理で体調が芳しくなく、選挙カーで休んでいた女性の下着に無理やり手を入れて、下腹部をもてあそぶ、出した手をしゃぶる、服の上から胸をもむなど、ありえない行為の数々を行った。 「女性はその翌日に刑事告訴しましたが、横山氏は『ライバル候補による陰湿な選挙妨害』『そうしたことは一切ありません』などと全面否定しました。むしろ女子大生を虚偽告訴罪で逆告訴したのです」 女子大生は強制わいせつと逆告訴による名誉毀損の慰謝料を求める損害賠償裁判を起こしたが「公務の時間を削られる」などと、横山氏は弁論から逃げ回っていた。民事は全面敗訴し、刑事でも起訴され、懲役1年6か月(執行猶予3年)の判決を受けた。 * * * なぜ、トンデモ知事が誕生するのだろうか。 「知事は47人しかおらず、個人の裁量で方針を打ち出すことができるため、国会議員よりも政治家としての手腕が問われます。やりがいを持って取り組めますが、『自分が治めている』というおごりから『勘違い』すると、トンデモないことをしでかす」 勘違いしたまま暴走した愚か者が、トンデモ知事となる。 「知事は都道府県の顔、スキャンダルは地域の評判も落とすことにもなる。行政には優秀な職員がたくさんいますから知事は余計なことをしなければいい。おとなしく、任期を務めてもらうのが職員の願いです」 清廉潔白であれ、とまでは言わないが、その立場にいられるのは都道府県民の貴重な一票のおかげであることを忘れないでもらいたい。 ※それぞれの肩書は当時のもの 取材・文/当山みどり