【化粧品の原価】メイク用品はどうしてこんなに高いの でしょう? 100円ショップでも売っているから「原価」は安いですよね?
化粧品業界は利益率が比較的低い
日本政策金融公庫が2023年2月に公表した、「小企業の経営指標調査」の業種別経営指標によると、化粧品小売業の売上高営業利益率は黒字企業かつ自己資本プラス企業平均で3.6%です。これは、売上高に対する営業利益の割合を示しており、企業の収益性を評価する一つの指標となります。この数値が高いほど、企業の収益性が高いといえます。 この数字を見ると、化粧品小売業界の利益率は一般的には比較的低い可能性があります。競合相手が多く、市場の競争が激しくなっているため、業界全体の利益率が低めになっていると考えられます。
100円ショップのコスメが安い理由
100円ショップにて、コスメを100円で提供できる理由はいくつかあります。 ・原料の数が少ない 100円ショップコスメは、原料が少なくシンプルなのが特徴です。高い化粧品は原料が多く、100円ショップコスメは原料が少ないというのが、値段の差になっていると考えられます。 ・低コストの原料を使用 化粧品の原料には、同じような効果・効能でも種類がたくさんあり、ランクがあります。100円ショップのコスメは、そのなかでもランクの低いものを使用していると考えられますが、ランクの高低は効果などの度合いによるものなので、ランクが低いからといって質が悪いというわけではありません。 ・広告宣伝費がかからない 100円ショップコスメが安いのは、広告宣伝費がそれほどかかっていないことも影響しています。100円ショップは「100円で売る」というコンセプトが宣伝になっているため、高い広告宣伝費を投じる必要がありません。 これらの要素が組み合わさることで、100円ショップでは品質を担保したコスメを低価格で提供できるのです。
化粧品の価格は原価だけではない
100円ショップで見られるような安価な製品と一般的に知られる化粧品ブランドの製品とでは、原料の品質や成分、製造プロセスなどが異なります。ブランドの製品は高品質の原料を使用し、独自の技術や研究開発に多額の資金を投じています。これにより、肌への安全性や効果の確保が図られ、価格が高くなるのです。 また、ブランド化粧品には広告やマーケティングにも費用がかかります。有名人やモデルの起用、テレビや雑誌などでの広告展開は、製品のブランド価値を高めるために行われますが、これらの費用が製品価格に反映されます。 さらに、容器やデザインにもコストがかかります。つまり、化粧品の価格が高いのは、原料の品質や効果・ブランド価値・広告宣伝費・容器代・デザイン料などの要素が複合的に作用しているためといえます。 これらのことを意識しながら、さまざまな化粧品を比べてみると新たな発見ができるかもしれません。また、それをきっかけに自分により合った化粧品を探してみるのもよいでしょう。 出典 株式会社アースケア 「化粧品の効果」に関する調査 株式会社帝国データバンク 「ブランドコスメ」2023年価格改定動向調査 日本政策金融公庫 小企業の経営指標調査 卸売・小売業 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部