「先延ばし癖のある部下」がみるみる変わっていく手法とは?人の感情や合理性を理解すれば指導も簡単になる
先延ばしを防ぐ仕組みをコミットメントデバイスと呼ぶ。先延ばしを防ぐためには、将来の行動にあらかじめ制約をかけよう。例えばTOEICの勉強をしなければいけないのに、SNSを見てしまい勉強がはかどらないとしよう。その場合はSNSのアプリを即削除し、誘惑を排除するのだ。 ■有効な締め切りの設け方 それでは、提出期限に遅れがちなメンバーにはどう対処したらよいのか? 有効なコミットメントデバイスを紹介しよう。
あなたはあるメンバーに3社の企画書作成を依頼し、3週間以内に提出を求める。期限が守られるパターンはAからCのどれだろうか? 【A】1週間ごとに1社提出 【B】締め切りを自分で設定させる 【C】3週目に3社分を提出 答えはA。Ariely and Wertenbroch(2002)の実験によると、細かな締め切りを複数回設定するAは先延ばしバイアスを防ぎ、約束を守ることが示された。従って、期限を守らないメンバーには、細切れに締め切りを設るほうが遅延を防げるようだ。
MAINDSPACEはメンバーの適切な行動変容を導く参考となり、効率的に業務を進めるために効果を発揮する。コントロール不能になる前に、行動変容マネジメントに着手することをおススメする。
杉本 ゆかり :跡見学園女子大学・群馬大学大学院兼任講師